無色透明。 非



神谷が学校へ来ない日が続いた


そして2週間後、1度も学校に姿を見せないまま退学したことが知らされた

クラスの人は特に興味無さそうに聞いている中

結城だけは驚いている事が解った



「俺の所為だ」

俺と結城しか居ない静かな部室

そんな中結城がポツリと呟いた

俺はその話をただ聞いていた

「俺が裏切ったから・・突き放したから・・・今まで成音がどれだけ辛い思いをしてたか知ってたのに」

結城は今までに見たことが無いほど思い詰めた顔をしていた

「成音ともう1度話がしたい・・ちゃんと謝りたい」


その事を聞いてから俺は休みの日を利用して神谷のバイト先へ足を運んだ

だけど中々会えなくて諦め掛けていた土曜日の夕方

バイトが終わったのか店から出てきた神谷を見つけた


「神谷」

「・・何?」

直ぐに近くに行き手を掴んだ

すると相手はいつも通り、人に興味が無さそうに返事をした

だけど瞳がなんだかいつもよりも悲しそうに見えたのは気のせいだろうか?


「結城がもう1度話をしたがってる」


「俺は話したくない」

腕を振りほどかれ早足に行こうとする後ろ姿にもう1度声を掛ける

「どうして?」


すると1度停まりこちらを向いた後直ぐに前に向き直った


「人ともう関わりたくない」

神谷の顔は一瞬見えただけだったがすごく辛そうに見えた


「・・それじゃあどうしてバイトなんてしてるの?」

「そんなの・・・お金を貯めたいからに決まってるじゃん」


「本当は信用できる人を探してるんじゃないの?」


神谷は何も言わずにその場から居なくなった



もし本当に信用できる人を探しているのなら・・・






――その役俺じゃあダメですか。



非 完


(120630)



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