喧嘩じゃない
「あ・・ヒューバートおはよう」
「ソフィ、おはようございます」
寝坊をしてしまいいつもより少しだけ遅く家を出た
すると偶然にもソフィと会い途中まで一緒に行くことになった
「アスベルは?」
「兄さんは・・・まだ家を出ていません」
「ふたりは喧嘩しているの?」
その言葉に2年前の事を思い出した
毎日兄さんと一緒に学校へ行き、もしどちらかが用事で早く家を出ることがあればそれに合わせる程仲が良かったから今の状況をみて喧嘩をしていると思ったのだろう
「喧嘩何てしてませんよ・・ただ兄さんと一緒に居たくないだけです」
「ヒューバートはアスベルが嫌いなの?」
「・・えぇ」
それからソフィとは話すこと無く別れ道で別れた
すると暫くして後ろから聞き覚えのある声に名を呼ばれた
「はぁ・・・っ良かった、追いついて・・歩くの早いな」
その人物は走ってきた様で息が上がっていた
「何か用ですか兄さん」
「お前ネクタイ忘れてるぞ」
その言葉に襟元を確認するとネクタイをしていない事に気が付いた
「・・ありがとうございます」
ネクタイを受け取り素早く結ぶ
「何もそんなに慌てて出る必要無いだろ?時間余裕あるんだしたまには一緒に・・・」
「嫌です」
そう言うと兄さんは凄く落ち込んでいた
それに同情してしまう前に兄さんとの距離を開けて歩き出す
近くに居ないでほしいという思いが通じた様に兄さんは反対側の道へ行った
落ち込んだ姿が捨てられた犬の様に見え罪悪感を感じた。
喧嘩じゃない
(だけどたまにギクシャクする)
07 完
(120516)
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