結局は良い子 | ナノ






結局は良い子

「しまった・・弁当忘れた」

「ありえないわ・・・」

昼休みになり鞄を開けるとそこには弁当箱が無くシェリアに呆れられた

良く考えて見ると朝鞄に入れた覚えが無い・・・

「今日家を出たのはヒューバートとアスベルどっちが先なのよ」

「今日は朝練があったから俺の方が先だった」

「それなら持ってきてくれるわよ」

噂をすればなんとやら

ヒューバートが弁当箱を持って教室に入ってきた


「貴方はバカですか」

「すまない・・ありがとな」

「やっぱりヒューバートは優しいのね」

「勘違いしないで下さい、そのまま放置して腐ると勿体無いから持ってきただけです」

でも助かった事には代わり無くもう一度お礼を言うとヒューバートは何も言わずに戻ろうとした

その腕を掴み引き止めると案の定嫌そうな顔をしながらこちらを振り向いた

「良かったらお前も一緒に食べないか?」

夜はいつも別々に食べているからせめて昼ぐらいは・・・そう思ったが考えが甘かった

「・・兄さんなんかと一緒に食べたくありません」

「そう・・か・・・」

腕を離して落ち込んでいると頭上で溜め息が聞こえて更に落ち込んでしまった

だが次に聞こえた言葉は予想外の物だった

「・・・仕方無いですね・・今日だけですよ」

弁当を取りに行くのか俺が嬉しさから顔を上げた時にはもう歩き出していて後ろ姿が目に入った。





結局は良い子

(優しい子なんだ)



03 完


(120506)



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