あの空の下でもう1度。 44



「東の馬鹿」

「藤こそ」

雨の中傘も差さずに家に帰宅

家に着くともうびしゃびしゃでふたりして傘を持ってない事を責めあった

「お風呂だね」

そう言って風呂場へ向かった藤の後に付いていった

「水溜まるの少し時間掛かるかも」

「水溜まるまでここにいよっか・・・部屋いたらそこらへん濡れちゃうし」

「そだね」

しゃがんだ藤に続いてその場に座ると藤が膝を抱えながらこちらを見つめてきた

「どうしたの?」

「・・何か惹かれる、かも」

「っ・・何に?」

時々突然にドキッとする事を言ってくる

恥ずかしがり屋なのかそうじゃないのか解んないよ

そんな事を思いながら目を反らすと手がこちらに伸びてきて再び目線が藤の方へ戻った

「・・キスして良い?」

「っ・・・」

何も言わずに目を瞑ると顔が近付く気配がし、直ぐに唇が触れる

何度か優しく触れるだけのキスをされているうちに我慢できなくなってしまいその場に押し倒した

「痛・・っ、」

「あんまかわいい事してると・・我慢できなくなる・・・」

「ちょ・・っ・・・」

言葉を遮って再び唇を重ね、直ぐに舌を口内へと入れた

「っん・・ぅ」

深いキスを繰り返してるうちに湯船に溜まったお湯の熱気が浴室に籠り頭がぼーっとする

唇を離すと呼吸の荒れた藤が目に入り濡れた髪や服が余計にやらしく感じられた

「っ・・あ・・・お湯」

お湯が溜まっていることに気が付いた藤はそれを停めようと身体を起こし手を伸ばした

その手を引っ張り服のままふたりで湯船へと乱暴に身を投げ入れると水嵩が増し外へ流れ出す

「っ、東・・・!」

「頭ぶつけた?」

「馬鹿じゃないの!?」

藤は頭を押さえながら水を停めこちらを向く

「お湯溜めたの無駄じゃん、」

ああだこうだ言う藤の口を黙らせる様に両頬を掴むと案の定口が停まり目線を反らされる

「少し黙ってて」

そう言い再び唇を重ねた

藤がお湯の中で抵抗しようと動く度に水音が浴室に響く

「っ・・ん・・・!」

「っ、大人しくしてって・・ばっ」

乱暴に押さえつけて服の中へと手を入れ身体を撫でるとびくっと反応したのが解った

「お願い・・ここでさせて」

目を真っ直ぐに見つめて言うと観念したかの様に目が瞑られ、それを合図に再びキスをした。



44 完


(120510)



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