あの空の下でもう1度。 33



田中からいじめをうけるのは構わない

目を付けられる事は解っていたから

だけどそれに無関係の奴が関わってくるのが腹立たしい


―タラシ 人の女奪うな 最低―

などノートに書かれた言葉

何処からそんな噂が流れたのかまったくしていない事で責められてますます腹立たしい


「・・幼稚だし馬鹿馬鹿しい」


そう小さく呟いたと略同時に教室の扉が開き、入ってきた人物を確認してノートを素早く仕舞った


「おはよ藤」

「ん・・おはよう」



―触れたい・・・



「藤今日うち来ない?」


藤を見てると心が落ち着く

腹立たしさも一瞬で消え去った


「・・行きたい」

その言葉を聞いて嬉しくなった

「行きたい」なんて予想外で「行く」か「行かない」を予想していたから






--------・・・



「んっ・・・駄目・・」

「どうして?」

「どうしてって・・親いるんでしょ?」

「大丈夫だよ」


それでもやっぱり納得してくれなくて身体を押し返されるが避けず逆に押さえつけた


「バレるの嫌なの?」

「嫌」

「・・いいじゃん」


抵抗するのも無視して少し乱暴に口付け徐々に深くしていった


「んっ・・ぅ・・・!」

口内で逃げ回る舌を絡めとり吸い上げる

時折びくっと反応するのが可愛くてもっと責めたいと思った

だけどその時部屋の扉が開いた音により想いは途切れ唇を離してそちらを見た


「由、宇・・・?」


扉の所には母親の姿があり見られたのか放心状態でこちらを見ていた


―あぁ、最悪・・・


これからだったのに



「・・・何?」

「あ・・・お母さんこれから仕事なんだけど・・明兎くん泊める・・ならご飯ある・・・から・・」

「うん、解った」


部屋を出たのを確認して藤の方へ視線を戻すと俯いていた


「だ・・から駄目って言ったじゃん・・・っ!」

「・・良いじゃん」

「さっきからそればっか・・・!帰る!」


そういうと腕を振りほどき本当に帰ってしまった



「なんで・・・」



そんなに嫌な事なの?駄目な事なの?



好きな人と付き合って

それっていけないこと?



俺には藤の考えが解らないよ


藤からしたら俺の考えが解らないと思うけど



俺は良いと思うのに・・・。



33 完


(120411)



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