タイトル:君を待つ雨の午後。
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待ち合わせまで後15分

少し早く来すぎたかもしれないけれどそれはそれで良い


待つのは嫌いじゃ無いから




君がどんな感じで来るのかを想像するだけで楽しいんだ


きっと君も時間より少しだけ早く来る

だけど俺が既に来ているのを見てすみませんと謝ってくるのだろう



時間まで後どれくらいかと思い設備されている時計を見上げると不意に雨が降ってきた




―要くん大丈夫かな・・・


鞄に入っていて折り畳み傘を開きながら思った


しっかり物に見えて所々そうでは無い君の事だ

予報されて居ない雨なのだから傘は持っていないだろう



案の定てびしょ濡れになって時間の2分前に君は現れた


「あの・・すみません」


「全然」


傘の中へと入れてやるともう濡れているからと遠慮する君

素直に入れば良いのに



「駄目です」


逃げようとする君の手をぐっと引っ張り何となく敬語を使って阻止する


「・・あり、がとうございます・・・」

「いーえ・・・今日は予定変更して先生の家行こうか」

「え、」

「風邪引くから」

「・・・大丈夫です」


「嘘ばっか、要くん直ぐ風邪引くじゃない・・ね?」


答えは返ってこず暫く沈黙が続いたが俺の足は自分の家へ

聞かなくても解るから


「テ・・・ストも近いんで風邪引いたら困りますからね」


ほらね

ほんと素直じゃ無いんだから



「そうだね」



そんな所も好きだけどね。



end


(120328)


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君を待つ雨の午後
(C)確かに恋だった

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