その手を離さないで。
「よしっ!次は山の方へ行くぞ!」
そう言って走り出した背中を追いかける
「あ、待って・・・!」
身体を反転させて置いてかれまいと手を伸ばす
手は一瞬掠めただけで掴むことは出来なかった
置いてかないで―・・・
そう思った瞬間追いかけていた背中が急に停まりぶつかってしまった
「いっ・・た・・・急に停まらないでよ!」
「今日のヒューバートは走るの遅いと思って」
何だが馬鹿にされた様な気がして言葉を出そうとした時、目の前に手をだされ言葉が詰まった
「・・・何?」
「手、繋いでくんだろ?」
戸惑っているとほら、と相手から手を取った
「よし、行くぞ!」
しっかりと握られた手
その手が離れて仕舞わない様に強く握り返した
少し前を走る凛々しい姿を見ると自然と笑みが零れて離さないで欲しいという思いが胸を埋め尽くした
「・・兄さん」
「何だ?」
「離さないでね」
「おう!」
更に強く握られた手をこちらも負けじと強く握り返しふたりして笑った
登りきった山で見た景色に感動してまた手に力が籠った事は言うまでもない。
end
(120318)
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初アスヒュ!
このふたり大好きです
今回幼少時代にしたのは無性に書きたくなったのと幼少時代が結構好きだったりするからです(笑
ですが終わり方が思い付かず気に入らない終わり方になってしまいました。
何はともあれここまで読んで頂きありがとうございました!
終わり
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