あの空の下でもう1度。 16



「何かもう疲れた」


「えーまだ移動しかしてないじゃん」


「暇してる時間が1番疲れる」



ついにやってきた修学旅行1日目

今は行きの乗り物に乗っていて隣が藤で前が威瑠


威瑠は隣に人が居るのが嫌らしく我が儘言ってひとり席にしてもらってた





因みに田中は体調不良を理由に来ていないらしい

噂では嘘だと聞いたが藤が安心できるので良かった



「寝よっかな」


「えー寝ちゃうの?」


「まだ結構時間あるからね」



そう言うと藤は本当に目を瞑ってしまった


そして暫くすると寝息が聞こえてきた



「本当に寝ちゃったよ・・・」



独り言を呟くと前に座っている威瑠がクスッと笑い話かけてきた



「何かかなり打ち解けたよね」


「そぉ?今も時々警戒されてる気がするよ」


「そんな訳無いじゃん」



威瑠は藤を指差したのでそちらを見る



「安心して眠ってるじゃん、警戒してる訳ないよ」


「安心・・・」


そう言われると何だが嬉しくて自然と笑みが零れる



「最初さ、喧嘩ばっかしてたよね」


「そうだね」


「構わないでとか言われてなかった?」


「言われた」


懐かしい

あの頃に比べて藤はほんとに変わった




「へへ」

「きもい」











--------・・・










「えーでは、楽しんでください」



旅館に着くとホテルの人の長々とした説明や先生の話


それが終わると部屋に荷物を置きそれぞれ班ごとに立てた計画通りに行動する



「何かお腹空いたよねー」


「もうお昼だもん」


「じゃあ最初の目的地行こっか!」


最初の目的地はお昼をとるために計画を立てた


因みに班は6人で俺と藤、威瑠の他に3人いる

威瑠はそのうちのひとりが嫌いでそいつも威瑠が嫌いらしい



喧嘩しなきゃ良いけど・・・




「あ・・・藤お昼大丈夫?食べられそう?」


「うーん・・・たぶん」


「何?藤原体調わりーの?」


「あ、いや、そういう訳じゃ」


藤は馴れてない人と話すのが苦手だからかなりキョドってた



藤は対人恐怖症だし威瑠は好き嫌い激しいし・・・





大丈夫かなうちの班。



16 完


(120306)



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