あの空の下でもう1度。 14



今日は朝会があった


廊下に並ぶ様に言った委員長の指示に皆従いぞろぞろと教室を出る


その途中、ふと後ろを向くと藤が椅子から立ち上がる所だった

俺の視線に気が付いたのか藤もこちらを向き目が合った



また、無意識に反らしてしまった



その度藤は悲しそうな顔をしてその日はもう目を合わせてくれない


それがもう1週間近く続いている




「藤原と喧嘩してんの?」


いきなり声をかけられびっくりして後ろを向くと威瑠がいた


「喧嘩なのか・・わかんない」

「なにそれ?」


「けど気まずい」


「どーすんのさー、来週修学旅行だよ?」



「どうするって言われても・・てかお前早く並べよ」



周りを見るともうそろそろ移動する所だった





「えーですから、」





校長先生の話はいつも長い

その間皆暇そうで欠伸をしてたり話ししてたりだ



「あ、ごめん」


藤の声が聞こえ俯いていた俺は前を向く


何だかふらついていて後ろの人にぶつかった様だった


「大丈夫?座ったら?」


後ろの人は藤の肩と上腕を掴んで座らせていた






―・・何か、嫌だ






藤に触って良いのは俺だけだ


もやもやした気持ちは一度生まれると中々無くならない


そして気が付けば朝会が終わり退場している所だった


俺は列から外れ藤の元へ


腕を掴み藤の事も列から外す

驚いた様に振り返った藤


今日2度目、目が合った

先に反らしたのは俺じゃなくて藤だった


「・・・何?」


目を合わせる所かこちらを向いてすらくれない


・・・俺は毎日こんな思いさせてたんだ



「えっと・・・保健室行く?」


「・・・いい」



そう言って腕を振りほどかれた



教室に戻ってからも俺は諦めず保健室に行かないか聞いた


「ふらふらしてるし、少し休んだ方が良いよ」



「・・大丈夫だから」

「大丈夫じゃないよ、俺が保健室連れてってあげるから、」


バンッと音と共に椅子がガタンと音を上げた

目の前には立ち上がった藤と机を叩いた手



「いいって言ってるだろっ!!」



藤が怒った



一瞬にして静かになったクラスの視線がこちらに集まる



暫くの沈黙の後、藤が目の前から消える





















倒れた。



14 完


(120304)



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