あの空の下でもう1度。 11



「威瑠〜」


「何・・?何かキモい」


「藤が会いたいってメールくれた」


「あーはいはい良かったね」


すごく嬉しかった

威瑠にキモいとか言われても気にならない程嬉しい



「そう言えばさー藤原って腕どうしたの」



思いもよらない事を聞かれ浮かれていた俺は何処へやら



「気になるの?威瑠なら気にしないって思ってたのに」


「気になるっていうか・・・うん」


暫しの沈黙の後威瑠は何の躊躇も無く言葉を発した



「東ってSMシュミあるの?」


「・・・へ?」


「あれって縛り痕でしょ?」



何でそんなこと解るんだ

その疑問は問いかける前に答えが出てきた



「俺SM結構好きだったりーそういう本持ってるんだよねぇ勿論男女のだけど」



意外だった

普通のが好きなイメージがあったから


「いつもどんな感じで縛ってんの?」


「あれは俺じゃ・・てかまだ1回しか、」

「え?」


思わず口が滑った

威瑠は不思議そうにこちらを見る


「何でもない」


「1回しかしたこと無いの?つまり3日前が初体験な訳だ」


どうやら威瑠が気になったのは腕の痕を付けたのが俺じゃない事では無いらしい


助かった



「何回か失敗しててこの間やっとできた感じ・・だからちゃんとしたのは1回だけ」


「今日会いたいって言われたんでしょー?襲っちゃえ」


威瑠は笑いながら言うがそんな簡単な事では無い

それに、会いたいなんて言ってきたのも何かあったんだろうし



「藤原ってイマイチ掴めないなー・・・真面目かと思えばそうでも無かったり、ひ弱だったり・・どんな人?」


「んー・・・我が儘かな」

「それ前も聞いた」


そういう事じゃ無いと不満な声を出してる威瑠に向かってひと言、笑顔で付け加えた






「あとね、かわいいよ」






「・・そういう事でも無いんだけど」



「あはは、そろそろ帰るかな」


「ん、バイバーイ」



放課後の教室

誰も居なくて良かったと思ってる


誰も居ないからこそこんな話ししてたんだけど



鞄を持ち威瑠に手を振り教室を出た


すると携帯が鳴った


藤からのメールで内容は「早く来て」との事





「我が儘。」



11 完


(120301)



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