あの空の下でもう1度。 09



「藤原休み!?」


「うん・・?昨日から喘息酷いんだって」


寝坊したのかめんどくさかったのか3時間目が終わってから来た威瑠は教室に入り俺の所に来るなり藤が居ない事に文句を言いだした


「もー!せっかく持ってきたのに楽しみにしてたのに!」

「まったく意味わからん」


今日はやけにテンション高いな・・


「よし、今日お見舞い行こう!」


「は?」

「まさか東一人だけでお見舞い行くつもり!?抜け駆けは許さん」

「ほんと意味わからんよ、どうしたの今日」

思わず笑ってしまう

こんなテンション高い威瑠久しぶりに見た


「俺は藤原の反応が楽しみで仕方ないのだよ」

「?あそう」



何だが良くわかんないけれど放課後一緒に藤の家に行くことになった








--------・・・







(※ここから威瑠視点)




「ほんとに家近いね」

「うん」


チャイムを鳴らす

1分ぐらい待ったが誰も出てこなかった


「・・留守かな?」

「いや、多分居留守使ってる」


東は携帯を取り出してどこかに電話を掛けだした


「「もしもし」」

「もしもし・・寝てた?」

「「起きてたよ」」

「今家?居留守使ってる?」


「「家だよ、さっきの東だったんだ。ごめんね今開ける」」


会話が終わったのか電話を切る

どうやら藤原に掛けていたらしい


「家にいるって」

「何で居留守?」

「出るの面倒なんじゃない?」


そんなやり取りをしていると藤原が出てきた



「あ・・・」

「どーも」


藤原は俺を見るなり驚いた顔をしていた


「威瑠が来たいってしつこくて・・・喘息大丈夫?」


藤原は俺等を中に案内しながら言った


「平気・・嘘だから」



真面目なイメージがあったのに意外だ・・・


昨日東が「我が儘」と言ってたのが何となく解る


茶の間に来て椅子に座った

俺はちゃっかりと藤原の前に座る



「何か飲む?」


「あ、俺入れたげるよ」

「え・・いいよ別に」


東は藤原が立ち上がろうとするのを言葉で阻止してキッチンへ向かった


藤原は人見知り激しいらしいからあんまり俺とふたりきりになりたくないんだろうけど



そういえばと思い出し鞄からある物を取り出す


「藤原ー見て」


適当な所を開き目の前に出した


「え・・、っ何?」


俺が持ってきたのはエロ本

予想通りすごくきょどっていた


「すっごい純粋だねぇ顔真っ赤」


藤原は顔を真っ赤にさせて横をふいっと向いた


なんだかかわいい



もっと反応を見たくて向いた方向に持って行く



「も・・ぅ、いいッから」


効果音を付けるならあわあわって感じ


あぁ、おもしろい



なんて思っていたらいきなり頭を叩かれた


「藤に何見せてんの」

「どんな反応になるかなって思って」


「見せたい物ってこれか・・ほんとイタズラ好きだよね」



呆れた様に言う東は藤原の隣に座って頭を撫でていた

藤原は横を向いたまま更に顔を赤くした




バカップルめ・・・




照れてるのか東の手を払う藤原

ふと、服の隙間から手首が見えた


何か・・赤い・・・?



「藤原腕どうしたの?」


何気ない質問だった

それなのに藤原はすごく慌てて手首を隠した


「いや・・何でも、無い」

「そっか」


何だがこれ以上聞いちゃいけない気がした


だけどそれがなんなのかすごく気になる

気になって仕方ない


後で東に聞いてみようかな

東なら知ってそう


そう思って東の方を見ると凄く複雑そうな顔をしていた






絶対何か知ってる。



09 完


(120219)



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