タイトル:素面の彼を好む。
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「要くん、ビール飲んでも良いかな」


「駄目です」


「あ・・・はい」


久々の休日に珍しく家に来た恋人

そして久々に飲みたくなった


だが俺の恋人は何故だか俺が飲むのを嫌がる


今だって確認をとってみるとやはり駄目と言われてしまった


「要くんはどうして俺が飲もうとすると嫌がるの?」


「だって先生酔うでしょう」

「?酔うほど飲まないよ」

「酔うかもしれないじゃないですか」


良く意味がわからないまま沈黙になった


酔った大人は嫌ということだろうか・・


色々考えていると要くんは深い溜め息を付いた



「先生酔ったら俺のことわからなくなるでしょう?」


「え?」


「他の人と間違えられるの何か凄く・・・」



嫌なんだね



言葉を濁らせた要くんは目を伏せて顔を赤くしていた


その様子を見るとただ単に「間違えられるのが嫌」なのではなく「認識してもらえないのが嫌」と言う事だろう


俺は「恋人」すらわからなくなる自分に腹が立った



「要くんが嫌って言うならお酒やめようかな」


「いいですよ別に、俺の前で飲まなければ・・」


「止めるよ」


にこっと微笑んで言うと要くんはとても複雑そうな顔をした



「ごめんね」


「何が・・」


「今日から俺はお酒をやめます」



ごめんね


お酒を飲むと認識できないようになって


そんな俺なんて居なくなればいい


そうしたら要くんの好きな俺だけになる




「新しい俺をよろしくお願いします。」



end


(120204)



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