ベタでも幸せなら何でも良いじゃない。




「もう少しで今年終わっちゃいますね」


「そうだね・・・勇人の家族心配したりしない?」


「大丈夫ですよ、ちゃんと言ってきましたから」


「そっか」


年を越す30分前

俺達は今公園にいる


「今年は色んな事があったね」

「喧嘩もしましたしね」


年越し前に今年の事を話すのはよくある


だけどこの話は特別だった


恋人と振り返る一年だから




「・・・来年もよろしくお願いしますね」

「こちらこそ・・・いつまでもよろしく」


「永遠なんて約束できませんけどね」


「寂しいこと言わないでよ」



ふたりして苦笑いをすると自然と沈黙になった



暫くそうしてから時計を見ると年越しまで後1分というところだった



勇人の事を横目に見ると空を見つめていた



そんな君の名前を呼ぶと振り返り俺のことを見た




目が合うと不思議そうに君は俺の名前を呼ぶ



君の顔を引き寄せたのは年越しの5秒前



唇が触れたのは年越しの3秒前



お互いが目を閉じた時には年が変わった事を知らせる音が聞こえた




そして唇を離して再び目が合ったのは年を越して7秒後




恥ずかしそうに下を向いた君に耳元で一言言ってあげた



「Happy New Year」



「・・・ベタだ」


「嬉しいくせに・・・今年もよろしくね」


「・・こちらこそ」





大好きな君と越した年は家族や友達と一緒に越した年よりも幸せなもので・・・



永遠なんて無いのにどこかにありそうな気がしてならなかった。



*end*



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みなさん
去年はありがとうございました

みなさんのおかげで楽しく更新していくことができました

そして今年もよろしくお願いします(●´ω`●)


終わり



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