あの空の下でもう1度。 47



目の前は嫌でも視界に入る

視界に入れないように問題集に目を向けた


委員会の話し合いとか言って

水乃さんは東が好きだから少しでも話すきっかけを作りたいだけ


話の内容だって聞いてたらどうでも良いことだ

それからさりげなくボディタッチが多い


東も自分からハイタッチしたり

側から見れば恋人だ



自分の中にどうしようもない嫉妬が渦巻く



暫くすると東は先生に用事があるようで教室を後にした



「かーな」


水乃さんと水乃さんの友達の会話が始まった

近くにいるため勝手に聞こえくる


「東くん絶対佳奈の事好きだよー」

「そうかなぁ」


そうかなとか言いつつ相手は自分でもそう思っているようだった


自意識過剰


「告白しちゃえばぁ?」


駄目


「でももし駄目だったら・・」


絶対駄目


「ねぇ藤原くん」


驚いてびくっと体が跳ねた


「東くんって付き合ってる人とかいるかなぁ?」

「え・・・?」

「最近仲良いじゃん?だから・・どうなのかな?」


「・・・どうかな、あんまりそういう話しないからわかんないや」


「そっか」


本当は知ってるよ


付き合ってるのは僕だから


だからといって「いる」と答えたら「誰」と問いかけてくるに違いない

その問いに「僕」と答えられなければ「わからない」とも答えられない





「何話してたの?」


気がつけば東が戻ってきてて水乃さん達は自分の席に戻っていた



「・・別に」

「ふぅん・・・」


東の事だよ

なんて言えず誤魔化した


だけれど東は何か気に入らなかったのか機嫌を悪くしていた。



47 完


(120202)



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