心を解くのは貴方の声。
『どうかした?』
「・・・」
電話をしたのは良いものの何を話して良いのかわからなかった
『・・・勇人?』
ほんとのことなんか言いたくは無いが相手を困らせるのも嫌だった
それにもう夜中に近い時間だ
「あの・・・眠れなくて」
結局ほんとのことを言ったがこれはこれで困るのでは?と思って後悔した
『同じだね』
「え?」
『俺も眠れなかった』
そういえば電話をかけたとき直ぐに出だし特に寝起きな声でも無かったことを思い出す
『勇人の声聞きたかった』
「俺もです・・・慎吾さんの声は俺の心を和らげてくれる」
『その言葉そっくりそのまま返すよ、子守唄みたい』
その言葉に何も言えないでいると慎吾さんはクスッと笑った
『暫く話してよっか・・・』
その声・・・
俺はその声に弱い
優しく囁くような声に
「俺、もう寝られる気がしますよ」
『俺もそろそろ寝られそう』
「・・慎吾さん」
『ん?』
「ありがとうございます」
『こちらこそ』
終わりの合図で電話を切ると俺の心はもうすっかり安らいでいた
そして笑みが零れた
すごく幸せな気分で・・
なんだか今日はぐっすり眠られそうな
そんな気がした
*end*
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終わりが微妙
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