次の日の朝
目を覚ますと藤はまだ眠っていた
「藤ー・・・朝だよ」
揺すっても全く起きる様子が無かった
「・・意外と寝起き悪い?」
それにしても・・・
昨日のはさすがに怒っちゃったかな
少し機嫌悪かった気がする
藤の前髪をかき上げて額を見えるようにした
「こっちのがかわいい・・・」
小さい頃の写真を見ると藤の前髪は短かった
どちらも似合っているけれど何で伸ばしたのか不思議だ
そのまま頭を撫でていると藤の目がゆっくりと開いた
「おはよ」
「・・・」
まだ思考が働かないのか何度も目をパチパチさせていた
「朝だよ」
「ん・・・ぅ」
再び目を閉じた藤
時計を見るとまだ6時過ぎだったのでもう少し寝かせて置く事にした
-----・・・
「ふぁー・・・」
「藤さっきから欠伸ばっか」
「ん・・・眠い」
学校に行く途中
冬はまだまだ寒くても眠気は中々飛ばない様だった
「・・隈」
そっと頬に触れると藤の動きが止まった
「どうしたの?」
「・・あんまり外で触れないで」
「あ・・・ごめん」
ふいっと歩き出した藤を慌てて追いかける
その途中赤くなった耳が見えた
その耳は寒くて?
それとも恥ずかしくて?
「ふーじ」
停まってくれない君を追いかけて隣に来る
「今日は藤の家に行きたいな」
「・・ん」
きっと恥ずかしいからだよね
潤んだ目がそう教えてくれた。
42 完
(120119)
戻る