あの空の下でもう1度。 42



次の日の朝

目を覚ますと藤はまだ眠っていた


「藤ー・・・朝だよ」


揺すっても全く起きる様子が無かった


「・・意外と寝起き悪い?」


それにしても・・・

昨日のはさすがに怒っちゃったかな


少し機嫌悪かった気がする



藤の前髪をかき上げて額を見えるようにした


「こっちのがかわいい・・・」


小さい頃の写真を見ると藤の前髪は短かった


どちらも似合っているけれど何で伸ばしたのか不思議だ



そのまま頭を撫でていると藤の目がゆっくりと開いた


「おはよ」

「・・・」


まだ思考が働かないのか何度も目をパチパチさせていた


「朝だよ」


「ん・・・ぅ」


再び目を閉じた藤

時計を見るとまだ6時過ぎだったのでもう少し寝かせて置く事にした






-----・・・





「ふぁー・・・」


「藤さっきから欠伸ばっか」

「ん・・・眠い」


学校に行く途中

冬はまだまだ寒くても眠気は中々飛ばない様だった


「・・隈」

そっと頬に触れると藤の動きが止まった

「どうしたの?」


「・・あんまり外で触れないで」

「あ・・・ごめん」


ふいっと歩き出した藤を慌てて追いかける

その途中赤くなった耳が見えた


その耳は寒くて?

それとも恥ずかしくて?


「ふーじ」


停まってくれない君を追いかけて隣に来る


「今日は藤の家に行きたいな」


「・・ん」


きっと恥ずかしいからだよね


潤んだ目がそう教えてくれた。


42 完


(120119)



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