あの空の下でもう1度。 37



「あ、お帰り」

部屋の扉が開いてそちらに目を向ける

「ん」

藤を見ると服がだぼだぼで何だか・・・


「その髪型かわいいね」

「は・・?」


誤魔化す様に他の事に目を向ける

藤の長めの前髪は分かれておでこが見えていた


かわいいのは髪型よりも藤だけど


「ドライヤーここに置いとくね」


そう言って部屋を出、風呂場に向かった



「はぁ〜・・・」


心臓が持たない


風呂場に入ると色々な事を考えてしまった


藤が入ったんだ・・・

藤の姿を想像してその想像を追っ払う様に頭を振る


俺はいつの間に藤の事をこんなにも好きになったのだろう


そしてこんなに性欲強かったっけと思うほどの想像もたくさんしてしまう


「あっちー・・・」


頬を両手で挟んで熱さを確かめる

この暑さは風呂の所為ではなく自分の想像したことの所為






部屋に戻ると藤は自分の手首を見ていた


「どうしたの?」

「あ・・・痕結構消えたなと思って」

俺は藤の腕を掴んで見てみると本当に見えないくらいになっていた


「ほんとだね」

にこっと微笑むと藤は下を向いた

「ん・・?」

「・・何でもないよ」


ベッドの上に座って掴んだままの藤の腕を引っ張る


「・・・ベッドで一緒に寝よ?」


「・・・」


断られるのは承知の上で聞いてみた


「・・いい・・・よ」

予想外の返答に驚くのと同時に嬉しかった


だけど・・・


藤は何だか我慢している様に見えた。



37 完


(120116)



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