あの空の下でもう1度。 34



いつの間にか眠っていたらしく目を覚ました時状況を理解できなかった


自分にかかっている布団からは東の匂いがする

目をキョロキョロさせるとベッドの端に東の頭が見えた


がばっと起き上がるとベッドに寄っ掛かりゲームをしている姿が確認できた



「起きた?」


「ごめん・・・!いつから寝てた?」


「んー・・・5時40分ぐらいかな」


時計を見ると7時半近くになっていた


「ほんとごめんね・・・それから、布団ありがとう」


「全然良いよ、それより時間平気?親心配してるんじゃない?」


「きっとまだ帰ってきてないから大丈夫だよ」


「帰り遅いんだね・・」



その言葉に頷くとある疑問が生まれた


「東ずっとそこに居た・・?」

「うん」

「ご飯は?」

「食べてない」


それを聞いて更に申し訳無くなった


「ごめん・・・帰るね」

「どうせなら泊まってけば?うちの親、藤の事久しぶりだから見たがってたよ」


「突然悪いよ」


「大丈夫だって」


何だか何度断っても無駄な気がしてきて泊まっていく事にした


「じゃあ・・・親に連絡入れとく」


「うん」


携帯を開いてメールで「今日友達の家泊まってく」と打って送信した

携帯を閉じると東が口を開いた


「そういえばさ、アドレスとか教えて下さい」


「あ・・・うん・・じゃあ赤外線で・・・」


東は赤外線で受信すると「後で携番と一緒に送る」と言っていた



「じゃあ下行こうか」


「ん」


手を差し出されて何だか解らないけどすんなり握れた

東も少し驚いた様に握り返してきて恥ずかしくなった


手を握ったまま部屋を出るといきなり東が笑いだした


「寝癖が酷い事になってる」

「えー・・・」


手櫛でとかそうと思い頭に手を伸ばした時、東の手とぶつかって思わず自分の手を引っ込める


「ここら辺が・・」


撫でる様にとかしてくれるその手と廊下の薄暗さにドキドキしてしまい

顔が赤いのがバレないように少し下を向いた。



34 完


(120115)



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