「藤は・・・俺の事好き?」
予想外の質問に戸惑ってしまう
「・・どうしてそんな質問するの?」
「藤がもし俺に圧されて付き合ってるなら無理に付き合わせて悪いと思ってる・・」
やっぱ僕は東の事が好きじゃないと思われてるんだ・・
「好き・・だよ・・・」
消え入りそうな声で伝える
東の顔が見られなくて座りながら自分の腕に顔を埋めた
「キスとかされるの嫌?」
首を横に振って答える
「・・触れられるのは?」
そう言いながら東は僕を抱き締める様に腰に手をかけてきて思わず身構えてしまう
「ねぇ・・嫌・・・?」
そのまま腰から上にかけて撫でられ、ぞわぞわとした
「いゃ・・じゃ無い・・けど・・・っ恐い、」
声が少し震える
「何が恐いの?俺?」
「ちが・・う」
「もしかしてさ・・・襲われた時の事思い出したりしちゃう?」
何も言えないでいると東が抱き締める力を強めた
「俺はそんなことしないって・・」
「わかってる・・わかってるよ・・・けど恐いんだよ」
「・・今日も俺の家おいで・・・忘れさせてあげるから」
真剣な瞳はどこか悲しそうで
ここで恐いからと言って逃げてしまったらその瞳に色が無くなる様な気がした。
30 完
(120114)
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