あの空の下でもう1度。 28



東が学校に来ていない


いつも自分の席の前に座っている背の高い東が居ないと黒板が良く見える

だけど何だか落ち着かない


「じゃあ、次の文を・・藤原読んで下さい」


「あ、はい」


古文を読んでいる途中

いきなり教室の後ろ側の戸が開いた


読むのを中断させてそちらを見る

皆も音がした方を見る


東だ・・・



「東どうした?珍しい」

「すいません、寝坊しました」


笑いながら言う東に皆も笑う


「今後気を付ける様に」


東が席に向かう途中目が合った


僕は目を反らして前に向き直る


「藤原、途中からもう一回よろしく」

「はい・・」


席に着いた東を見ると頬杖を付いて外を眺めていた



-----・・・



休み時間になっても東は話かけて来なかった


やっぱり昨日の事を気にしているのだろうか



「あ・・東・・・あの、」


勇気を振り絞って話かけてみると1度こちらを振り向いたが直ぐに前に向き直り席を立った


「ご・・ごめん、ちょっと用事が」



そそくさと離れて行った東


今のはどうみても胡散臭い






・・何それ。



28 完


(120113)



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