あの空の下でもう1度。 25



朝目が覚めてカーテンを開けると雪が降っていた


「どおりで寒いんだ」


準備をして下に降りると母さんが朝食と一緒にマフラーを用意してくれていた



朝食を食べマフラーを巻いて家を出る


暫く歩くと前に藤が見えた


「おはよっ、寒いね」

「はよ」


「知ってた?藤の家と俺の家って結構近いんだよ」


「そうなんだ」


「今度遊びに来ない?」


返事が帰って来なかったが何だか照れてるみたいで自然と笑みが零れる


「よし、今日おいで」


手をぎゅっと握ると凄く冷たかった


「やめろばか」


追い払われて行き場の無くなった手を藤の頭に乗せる


「照れちゃって、耳赤いよ」


そのまま髪の毛をくしゃくしゃにするとさらさらな髪の毛は指に絡まる事なく跳ねた


「寒いだけだよっ」


そう言って走り出した藤の背中を追いかける


「あんまり走るとまた喘息になるよー?」


速度を落とした藤の隣に追いつく


「じゃああんまりそういう事言わないでよ」


藤の顔は真っ赤で

寒いからとか走ったからでは無く


本当に照れてる顔だった



「で、今日うち来る?」


「・・行く」



お互いの思いが通じてから心の距離がぐっと近くなった気がする


だけど俺には疑問がひとつあった




藤がよく言っていた「昔の東が好き」と言う言葉はどういう事なのか


今の俺は好きでは無いということなのだろうか・・



だとしたら俺が押し切って付き合っているような物だ


その割に藤の態度が変わった事が気になって仕方なかった。



25 完


(120112)



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