あの空の下でもう1度。 24



ずっと東の顔を見られなかった


だってこんなの普通に気持ち悪いだろう


いじめられてた上に同性としたなんて

しかも最後まで


自分の手が震える

今、東がどんな顔をしているのか

どんな事を思っているのか、考えただけで恐い


そう考えていたらいきなり腕を引っ張られた


背中に痛みを感じた後、ドンと机が凄い音をたてて倒れた


机に背中をぶつけた様だ


「っ・・た、」


あまりの痛さで直ぐには気が付かなかったが床に押し倒されていた


「東・・・?」


見上げると東の顔があって、その顔はいつもの東と違っていて、何だか恐い


東は僕のブレザーを胸上まで捲るとYシャツのボタンを外し始めた


上に跨がれているため身動きがとれない


ボタンを外し終わると東は胸元の痕に触れた


触れた後それに唇を近づけてきたと思ったらぬるっとした生ぬるい感触に思わず身体が反応する



隆起している痕は未だ火傷状態で触れられるだけで痛かった

痛みと一緒にタバコの火を付けられた痛みを思い出して恐怖感から呼吸が早くなる


発作が起きそうになったとき東が僕の頬に触れた



「大丈夫・・恐くないよ・・・俺はそんなことしないから安心して?」


優しく言う声に

暖かい手に心が安定し早くなった呼吸が収まる


そして涙がぼろぼろと出てきた


「ごめんね・・恐かったよね・・・痛かったよね」


そう言いながら僕の身体を起こし抱き締めながら先程ぶつけた背中を擦る東


「ほんとごめんね・・・藤に触れた奴がいるとか考えると何もしないでいられなかった・・痕を見ると消してしまいたくなって仕方なかった」


「東・・泣いてるの・・・?」


撫でるように髪の毛に触れると東の肩が少し震えていた


「僕ね・・小さい頃からずっと東が好きなだった・・・だから他の人にされた時は凄い嫌だった」



聞いてくれているのか解らなかったが僕は話を続けた



「東は記憶喪失になったのに僕の事覚えててくれたよね・・・それって東も僕の事友達としてじゃなく好きだったって思っていいの?」


「うん・・今も好きだよ・・・だからずっと好きだった・・・記憶が無いから絶対とは言えないけどその頃から好き」


「僕は好きだって言ってくれたの覚えてるよ・・」


「じゃあ絶対」


東は身体を抱き締める力を強くした



「絶対あの頃から明兎が好き。」



24 完


(120112)



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