酷くヒドく体の奥底が痛いような気がした。どうしてかな、そう考えたところで理由なんて分からなくて、別に分からなくてもいいかななんて思ってふかふかのベッドへ沈めた体を動かした。ゴロンと体の向きを変えると部屋の窓から青々とした空が見えた。雲一つない青い空。子供の頃、青い色のクレヨンで描いたような空にドクンっと体の奥底が動いた、気がした。気がしただけで別に何か体に異変があったわけじゃない。体の奥底が動いた気がしたのもたった1回だけで、後は何もなかった。意味もなく寝転がったベッドのシーツは洗濯したばかりで洗剤のいい香りがした。あの人の服もこれと同じ香り。それに顔を埋めればまるであの人がそこにいるような気がして、なんだか少し嬉しくなってでもすぐに暖かさがないのに気付いて寂しくなった。ああ寂しい、寂しい、寂しいな。


「燐くん」


呟いただけなのにひとりぼっちの部屋だと嫌に大きく響いた。静かな部屋では何をしても大きく聞こえる。小さな呟きも、小さなため息も。あの人がいないだけで、こんなにも部屋の音も景色も違うんだ。そう思ったらもっと寂しくなった。


早く帰って来ないかな

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