パフォーマーのお仕事



パーパから言われた仕事、それは演奏会の代役。思いがけない依頼に戸惑いつつも、お仕事に向かうことに……。

リベルタ「リベルタメモによると会場は貴族の館らしい。きっとデカい館なんだろうなぁ。へへっ、楽しみ!」


リベルタ「すっげぇ……こんなデカい館が演奏会場なんて。さっすが金持ちは違うよなぁ。」
リベルタ「それにしても演奏者の代役なんて、おっきな依頼がきたよな。元はパーパの思いつきだろ?」
リベルタ「どっからか評判聞きつけて依頼がきたんだな。ファミリーのヤツはみんな楽器ができるからさ。」
リベルタ「オレは何の楽器が弾けるんだって? へへっ、それは……。」
リベルタ「ふふふ……、じゃーん! トランペットー!! __、どうだ? カッコいいだろ?」

ドメニコ「おう! カッコいいな! おれはトランペットも好きだぜー!!」
ドメニコ「そんな楽器見せられたら、我慢できなくなるだろ? よっしゃー! おれと合奏だ!!」

リベルタ「……お前がミケーレ? あれ? リベルタメモで見たのと違ってるぞ。」
ドメニコ「違う違う! おれはドメニコ! いつもはミケーレたちと一緒に演奏してるんだ。ドレミ音楽隊って言ってな! いい名前だろ?」
リベルタ「そ、そうか? ま、いいっちゃいいけど……。それよりさ、肝心のミケーレってヤツはどうしたんだよ?」
ドメニコ「ん? そういやいないな……まーた1人で、楽譜の確認でもしてるんだろ。」
ドメニコ「ドメニコ「あはははは! ま、ミケーレならそのうち来るって! そんなことより合奏しようぜ、合奏!!」

レジーナ「あっ、ドメニコ! こんなところにいたの。も、もう、探したんだよ……?」
レジーナ「そ、そろそろここを出ないと演奏会に間に合わないよ……。」

ドメニコ「おっ、レジーナ!? もうそんな時間なのか!? じゃあ合奏はまた今度だな。」
リベルタ「今日の演奏会、お前も一緒じゃないのか? それに今、演奏会って……。」
ドメニコ「おれとレジーナは別の会場に呼ばれててさ? くぅーっ、約束さえなかったら、お前らと演奏したかったぜ!」
リベルタ「ってことは、今日の演奏会はミケーレとオレと__だけ? 3人だけで大丈夫なのか?」
レジーナ「そ、それなら大丈夫です……! もう1人、代役をお願いしている方がいますから……。」

ファリアス「タン、タン、タタタン! あっ、いたいた! みんなおそろいだね!!」
ファリアス「__とリベルタだよね? おれはファリアス! 見ての通りタンバリーノ奏者さ!」

リベルタ「びっくりしたー、タンバリーノの音がしたからパーチェかと思った。そのもうひとりってのはファリアスなのか?」
ファリアス「うん、おれだよ? ミケーレと一緒に演奏出来るって聞いて、楽しみにしてきたんだ!」
ドメニコ「ファリアスのタンバリーノはすごいんだ! おれ、こんなに明るいタンバリーノ奏者って見たことないぜ!」
ファリアス「まぁ、明るさだけが取り柄って感じかな。巷のシニョーラには可愛がってもらってるよ?」
レジーナ「ド、ドメニコ……本当に行かないと遅刻しちゃうよ。ほ、ほら、行こう……!」

ドメニコ「うおっ!? そんな無理やり引っ張らなくてもいいだろ〜! レジーナ〜!!」
ドメニコ「じゃ、じゃあ、後はよろしくな! ミケーレのこと頼んだぜぇー!!」

リベルタ「嵐のように去っていったな。__も呆気にとられたって感じか? ま、オレもだけど。」
ファリアス「ん? 呆気にって何に? そんな驚くようなことなかったと思うけど?」
リベルタ「あはは……まぁ気にすんなって! それよりさ、ミケーレってどんなヤツなんだ?」
ファリアス「一言でいえばミケーレは音楽人間だね。集中してるときなんか、おれが話しかけても聞こえてないし。」
リベルタ「音楽人間か……なんかすごそうなヤツだな。ん……あそこに座ってるのって……。」

ミケーレ「先ほどの演奏はテンポが速すぎた。次は少しゆっくり目に弾いてみるか……。」
ミケーレ「呼ばれた……? いや、気のせいか……。さっきはどこまで確認したんだ?」

リベルタ「いやいや、気のせいか……、じゃないだろ! 目の前にいるのになんで気づかないんだよ。」
ファリアス「ミケーレ、ここにいたんだ。ほら、今日一緒に演奏する2人を連れてきたよ。」
リベルタ「オレはリベルタ。で、こっちは__。依頼を受けてってことだけど、オレたち頑張るからさ! よろしくな!」
ミケーレ「ボクはミケーレ、よろしく……。これで奏者は集まったな。さっそくだが音合わせをしたい……。」
リベルタ「って、今ここで!? ……みたいだな。ミケーレのヤツ、もうファゴットの準備してる。」

ファリアス「ミケーレは演奏のことになると我を忘れるタイプだしね。しょうがないよ。」
ファリアス「まぁ、一応挨拶らしきことはしたし、さっそく演奏でもいいんじゃない?」

リベルタ「ま、そうだな。んじゃ、さっそく合わせてみるか! __、準備しようぜっ!」
ミケーレ「準備ができたみたいだな。では、ボクの合図で始める……いくぞ……。」
リベルタ「……なんか音がバラバラじゃなかったか? 全然、気持ちがひとつになってないっていうか……。」
ファリアス「初めてだからしょうがないだろ? おれもこのまま観客に聞かせるのはちょっとな、って感じだけど。」
ミケーレ「それぞれ技術はある。後はテンポさえ掴めれば……。だから、もう一度……。」

パメラ「今の音はいったい……? あら? もしかして皆さん、演奏者さんかしら?」
パメラ「そんな演奏じゃ、お父様には聴かせられないわ。今のはただの練習でしょう?」

リベルタ「そうだよ。練習だ、練習! 本番でバッチリ決めてやるから、期待してろって!」
パメラ「ええ、期待してお待ちしておりますわ。では、皆さん、会場でお会いしましょうね?」
リベルタ「ったく、あそこまで言わなくてもいいのに。それより練習しようぜ! アイツの期待以上の演奏しないとな!」
ファリアス「うん、そうだね。おれたちの演奏でアッと言わせてやろうよ!」
ミケーレ「演奏会まで時間がない。本番まではこれが一度きりのチャンス……、無駄にはできない……。」

ミケーレ「皆、準備はいいか? 今度はそれぞれの音よく聴いて……いくぞ……。」
ミケーレ「……そろったか? ボクにはそれぞれの音が重なり合って聞こえた……。」

ファリアス「うん、おれにもそう聞こえた。ちゃんとみんなのテンポがそろってたよ。」
ミケーレ「この演奏なら、観客に聴かせても恥ずかしくない。良い、演奏だった……。」
リベルタ「良い演奏だった……、だってさ。へへっ、よかったな、__?」
ファリアス「あっ! 本番まで少ししかない! そろそろ控え室に行って支度しないと!」
リベルタ「おっ、もうこんな時間か! 練習、間に合ってよかったな。ん? __、急にうつむいてどうした?」

ファリアス「心配? 大丈夫だって! さっきみたいに弾けば、きっと成功するよ!」
ファリアス「自信持っていかなきゃ! 演奏は明るく、元気に、前向きに! ねぇ、__?」

リベルタ「んじゃ、いこうぜ、__! オレたちミケーレ音楽隊の演奏を、みんなに聴かせてやらないとな!」
リベルタ「(よっし! 出だしは揃ったな! このまま、みんなが息を合わせれば大丈夫だ!)」
ファリアス「(うん、テンポはバッチリだね。おれのタンバリーノもちゃんと輝いてる!)」
ミケーレ「(普段と変わらない演奏が出来ている。これなら、観客にも喜んでもらえる……)」
ミケーレ「観客の笑顔……、3人はドメニコ、レジーナの代わりを立派に努めてくれた。ありがとう……。」

ミケーレ「たくさんの拍手、ブラーヴォの声……これは全てボクたちに向けて……。」
ミケーレ「アンコールのようだな。……準備はいいか? 歓声に応える、素晴らしい演奏をしよう。」

リベルタ「んじゃ、アンコールに応えてもう一曲! __、みんなに目一杯楽しんでもらおうな!」









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -