「まだまだ厳しい先輩で」



ほら、もっと胸を張って。今日のパーティは、アンタのためのパーティなんだからね。

アンタがしっかりしていないと、私まで笑われるんだから。

え、どういうことかって? 何を言ってんのよ、アンタの教育係は私でしょう?

アンタがこんなに立派になったのは、まぁアンタの努力もあるけど……、ある意味、私のおかげじゃない?

私が面倒を見て、私がここまで育ててあげたんだから。

感謝しろとまでは言わないけれど、私に恥をかかせるようなことは慎んでよね。

なぁに、その顔。不満なの? 私はね、パーティの場であっても厳しいんだから。

ほら、わかったなら回れ右。胸を張って、パーティ会場へ戻りなさい。

パーティ会場の中心にアンタがいなくてどうすんの。フフッ、いってらっしゃい。



見てたわよ。なかなか素敵なスピーチだったじゃない。少し惚れ直しちゃった。

それと同時に、ちょっとだけ鼻が高かったかな。さすが私が育てただけあるね。

え? 私に恥をかかせないように頑張った? まぁ、口まで達者になったじゃない。

でもいいわ。嬉しいから許してあげる。私は心が広いんだから。

あ、そうだ。これ……、アンタのための花束。私からの贈り物なんだから。さぁ、受け取って?

私だって花くらい贈るわよ。それも特注の特注、アンタのための特別な花束。

準備して待ってたんだから。少しはありがたがりなさい?

じゃあ、この花を渡して……、空いた方の手は私が握るわ。ほら、手を貸して?

何って、パーティとくればダンスでしょう? まさか、踊れないなんて言わないよね?

え、私から教わってない? そうね、教えてないけど……、こういうのってやれば出来るもんなの。

ほら、行くよ。上手くできなかったら居残り練習なんだから。パーティの場でも、私は厳しいよ?








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