「もちもちの気持ち」



ああ、すまないね、急に餅つきの手伝いを頼んでしまってさ。

あたし1人で餅をついても、こねる役がいないことに気づいてね。助かったよ、引き受けてくれて。

あんたはあたしの補助役をお願いするよ。力を使う方はあたしに任せておきな。

こう見えても、この日のために餅つきの練習やら研究やらをたくさんしてきたのさ。

だから、あたしの豪快な杵さばき……楽しみにしていておくれ。

もちろん料理の方もね。ほっぺたが落ちるくらい美味しい餅料理を食べさせてあげるつもりだよ。

さぁ出来たよ、つきたてのお餅! 遠慮なく食べてみておくれ。

甘いきなこに、これはジャッポネの醤油という調味料だよ。これがおいしいんだ。

お味はどうだい? ……ははっ、どうやら聞くまでもなかったみたいだねぇ。



もう、顔いっぱいにおいしいって書いてあるじゃないか。本当、あんたを見ているとこっちも嬉しくなるね。

さぁさぁ、どんどんお食べ。そしてあたしみたいに恰幅よくなっちまいな! はっはっは!

さて、あたしはまた餅つきへ戻るよ。あたしの餅をレガーロの皆に食べてもらいたいからね。



おや、あんたも手伝ってくれるのかい? じゃあ、早くその餅を食べて、手伝っておくれ。

じゃあ始めようかね。今度はあんたに杵の方をお願いするよ。

ほら、やりたそうな顔していただろう? ははっ、あんたの顔はウソをつけないみたいだからね。

大丈夫、あたしが手助けするから心配はいらないよ。さぁ、美味しいお餅をついてごらん?

慣れちまえば簡単さ。そんなに力は必要ない、ただまっすぐ振り下ろすだけでいいんだよ。

見てごらん、餅ってのはこうやってぶつけ合って、長ーく、柔らかくなるのさ。

あたしたちも同じだよ。いろいろぶつかりあって、でも時間をかけて柔らかくなっていく。

だから、あんたも餅みたいに粘っこく頑張りなよ? あたしはいつだって応援しているんだからね!








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