「アンタって変わり者だよね」


煙管の先から煙を上らせて、彼は夜空に浮かんでいる満月を眺めた。


「俺みたいな奴、鬱陶しいだけじゃねェの」
「なんだ、不安なのか」
「違っ…」


ククッと喉で笑うとまだ火のついている煙管を置き、両手を広げてみせた。我ながら馬鹿だな、とは思っている。けれどその誘惑には勝てなくて。ゆっくりと歩み寄り、躊躇いながらも抱きついた。奴がどんな表情をしているのかなど分からない。けれど握られた手は、とても温かかった。


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