「今日はいないんだね、高杉」
「おー。病欠だって」


雲ひとつない晴れ渡った空の下で、神威は日陰に座る自分の横に腰を下ろした。手には昼飯と思われる弁当が三つ。今日もよく食べるなあ、と彼の大食らいぶりに感心しながら、サンドイッチを口に入れた。クラスメイトの高杉と神威と、三人で昼休みを過ごすのだが、生憎と高杉は欠席だ。どうせサボりだろう。留年するような馬鹿ではないが、担任の銀八に目を付けられている。あの教師のことだ。あれやこれやと非道な手を使って高杉を留年させかねない。まあ、上手くやり過ごすのが、高杉だけれど。


「…次の授業なんだっけ」
「国語だったヨ」
「んじゃサボるか」
「いいネ。高杉の見舞いに行く?」
「家にゃいねぇだろィ。ゲーセン行こうぜー」


今日ものんびりと。退屈な一日が過ぎていく。


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