無駄だと魔剣は答えた。魂は喰らい尽くした。お前の眼前にいる男は最早ただの器でしかないと。ああ、それがどうしたと刀を振るう。殺せるものなら殺してみろ。幾度と無く命を狙われ続けたのだ。真選組最強の男を手に入れた刀に勝てる者は少ないだろう。一つ違えば死に繋がる。けれど、それで取り戻せるのならいいのかもしれない。


「どうした総悟、いつも命を狙っているだろう?まさか今までのは脅しか?」
『………』


どれほど挑発をしても表情は変わらない。しかし声は届いているはずだ。何故か確信をしていた。この程度でおめおめと引き下がる男だったのか、お前は。違うだろう。魂を喰われて支配され、暴れ回るのなら失望だ。俺とて戦い勝利した。確かに妖刀と魔剣では力が異なる。だけど、なあ、総悟。このままで終わりなのか。


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