「捨てた方がいいぜ、それ」


旦那が指差す先にあるものは、昨晩、愛刀になりたいと申し出たエクスカリバー星のマガナギという刀。菊一文字RX-7には申し訳なかったけれど、鞘も剣もエクスカリバー星人である方が良いだろうと手に入れたものだ。特にこの刀でなければいけないという理由はない。しかし、何故と尋ねたくなる。どちらも揃えて羨ましいから、なんてことではないだろう。刀とは相手を斬るための道具だ。切れる刃も使い手次第では切れない刃となる。要は扱う人間の力量によって差が出るのだ。もちろん最初から切れないのでは話にならないが。


「旦那は刀に拘りでもあるんですかィ」
「そういうことじゃねぇ」


いつになく真剣な彼の眼差しに、気に食わない上司の姿を重ねて苛ついた。そんなことを言われると意地でも離したくないと思ってしまう。不思議とこの刀には愛着がある。疑問には思わなかった。恐らくは気に入ったのだろう。だが、マガナギと名乗るこの天人などどうでもいい。旦那と斬り合うことができるのなら。その手に持つ、鈍刀を殺すことができるのなら。


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気付かぬうちに侵食される。

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