「紹介するネ、九楽々ちゃんヨ」
「九楽々?じゃあ友達は覇威児と北衛駄?」
「誰ですかそれ、ここはアルムじゃないんですけど」


銀時のボケに素早く新八がツッコミを入れるも、当の本人は理解していないようで頭に疑問符を浮かべていた。神楽によると先程知り合ったばかりだそうだ。彼のことなんてどうでもいいと言いつつ、内心は心配しているらしい。子供は子供に、と聞いて回っていたようだ。主に銀時と新八が聞き込みを行なっていたが、対象はどれも大人ばかりだった。恐らく真選組も同じだろう。だから見落としていた。そういえば野郎が子供と一緒にいるのを何度か見かけたなと思う。人のことを頭の中は中二の夏だなんて言っていたが、自分は小二の夏なんじゃねぇかと言いたくなった。


「それで九楽々ちゃん、だよね。写真の人を見かけた時のこと、詳しく聞かせてくれないかな?何をしていたとか、誰といたとか、些細なことでいいんだ」
「えっとね、眼鏡と一緒にいた」
「………え?」
「眼鏡」


少女が指差す先は尋ねた眼鏡掛け器もとい新八だった。困惑する彼の肩を銀時と神楽はぽんぽんと優しく叩く。


「犯人確保アル」
「そうと決まれば一緒に警察に行こうか、ね、新八くん。大丈夫だから銀さんがついてるから」
「ちょっと待てェェェ!眼鏡を掛ているからって僕だとは限らないだろ!というか何だよその哀れみの目!やっちゃったなみたいな!崖っ縁で自白し始めて泣き出した犯人を諭す刑事みたいな!」


ぎゃあぎゃあと万事屋の三人が騒ぎ出す中、少女はただただ新八を見つめていた。それは眼鏡を掛けているという共通点があるからではなく、何かしらの確信を持っている瞳で。冗談の類ではないと気付くのに時間は掛からなかった。


「…え、ちょっと、新八…」
「お前がそんな奴だとは思わなかったヨ!私はそんな子に育てた覚えはないネ!」
「いやいや神楽ちゃんに育てられた覚えはないから。というか九楽々ちゃん、本当に僕だったの?人違いじゃなくて?」
「眼鏡掛け器である人間が君以外にいるとでも言うのかダメガネ」
「聞き間違い?なんか毒を吐かれた気がするんだけど」


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