とりあえず沖田が行きそうなところを手当たり次第に探して聞き込みをすることになった。彼を見かけたことのある店や、隊士達の情報を頼りに、江戸中を歩き回る。捜査に必要であれば真選組が援助してくれるそうだ。力の面でも資金の面でも。領収書さえ貰えれば問題はないと言われたので、万事屋の三人は遊び半分で捜査を始めた。


「んで、何処を探せばいいんだ?東奔西走ってか、かったりィなー」
「大丈夫なんですか銀さん、肩を怪我しているのに動いて」
「問題ねェよ、大したこたァねェただの掠り傷だ」


数日前に銀時は怪我をして帰って来た。チンピラに絡まれたとのことだが、彼の強さがどの程度なのか新八も神楽も把握している。そう安々と怪我を負うはずがない。けれど問いただしても黙りで。傷が浅いためすぐには治るが、怪我は怪我だ。元々自分のことを話さない男だと二人も理解しているから深くは聞かなかった。しかし心配は心配なのである。


「すんませーん、この子見かけませんでしたー?」
「真選組の沖田さんじゃないかい。最近見てないねぇ」
「ん?坊主は来てねぇぞ?そういやァ、ここ数日顔を出さないな」


甘味屋のおばあちゃんもあらあらと首を傾げ、団子屋のじいさんもおやおやと頭を捻った。虱潰しに辺りの店を回るも手掛かりは一切なし。まるで神隠しにでも遭ったのかと言いたくなる程に情報が入ってこない。美味しいと評判の団子屋でみたらし団子を口に頬張りながら、次は何処に行こうかと地図を見る。こうなると江戸の外にいるのかもしれない。真選組という立場上、遠い場所まで行くはずはない。しかし事故や事件に巻き込まれたのなら、江戸にはいない可能性がある。どうしたものかと頭を悩ませていると、神楽の笑い声が聞こえた。見れば、友達なのかニコニコと楽しそうに話している。ああ見ると普通の女の子なんだよなあ、とハゲ親父のようなことをぼんやりと思った。


「銀ちゃん、銀ちゃん!」
「…ん、何だ?小遣いはねぇぞ」
「酢昆布はさっきツケで買ったネ。それよりこの子、三日前に馬鹿田を見たって!」
「マジでか」


子供の声にも耳を貸せとはよく言ったものだ。

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