桂の言葉に頭が混乱した、何を言っているのだと。


「そりゃァ野郎と関係ないだろ?むしろお前が…」
「だから言っている、素直に喜べぬと」


今まで沖田を連れ去ったのは真選組への怨恨だと考えていた。職業柄、恨まれても仕方ない。人質として利用するか、見せしめのために殺すか、あるいは肉体的精神的に痛めつけて廃人にするか。何にしろ早急に救出しなければ危ないと。どんな形であれ苦しむのは確かだと。けれど病院での新八の言葉が、それらを打ち消した。標的は真選組ではないかもしれない。だとしたら。


「あくまで噂だが、奴等は鬼兵隊にも勧誘をかけたそうだ」
「もっと無理だろうが。お前より難しいだろ、馬鹿じゃねぇの」
「そうだろうな。あちらに人質という手は通じん。ここからは俺の推測だが、かつての同胞よりも、敵対関係にある者を使えば良いと考えたのではないか」


もしかしたらと思い付いた想像は、どうやら桂も同じだったようだ。


「他にも腕の立つ攘夷志士はいるが、伝説と謳われた夜叉に敵う者はそうそういない。だからこそ俺達に接触を試みたのだろう。しかし結果として無理だった。ならば、手当たり次第に強者を集めようとする。そして思い付くのが」
「…真選組の斬り込み隊長ってか」
「ああ」


これが事実だとすれば面倒なことになるぞ、と桂は言った。件の麻薬密輸も関わってくるのなら、確かに面倒臭いことが起きるだろう。さてさて保護者様にはどうやって説明しようかと頭が痛くなった。


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