「マーベリックさん、外に出てみたいです」


窓から見えるシュテルンビルトの夜景は彼の好奇心を煽ったようだ。やれやれと首を横に振り男は椅子から立ち上がった。そして窓際に座り込んで景色を眺めている彼の背後に膝をつく。そっと両手で目を塞ぐと、先程まではしゃいでいた彼は大人しく男に凭れ掛かった。男の身体から青白い光が発せられる。


「外は怖いはずだろう?君はあれほど出るのを嫌がっていたじゃないか」
「……あ、あ、…そうです、外にいる人はみんな、俺を…」
「殺そうとしてくるんだよ」
「…やっ、嫌だ!怖い、怖いっ…!」
「ほらほら落ち着きなさい。私だけは君の味方だ」


手を離した途端に彼は必死に涙を堪えて縋ってきた。そんな彼の頭を、男は、マーベリックは優しく撫でる。手に入れた玩具は利用し甲斐があるのだ。簡単には手放さない。ゆっくりじっくり書き換えてあげよう。

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