「人はいつか死ぬよ」


真っ白くて細々しい手を重ね、宥めるように頭を撫でた。太陽のように温かい彼はもういない。ただ、病床に就く老人だけがそこにはいた。月日は早いものだ。共にヒーローとして過ごしていた日々が昨日のように感じる。此処は何処だろう。現実なのだろうか。今さっきまで笑い合っていた人は、目の前にいるのと同一人物なのか。分からない、分からない。


「可愛いバニーちゃん。でもまだその時じゃない。この世界の俺はもう終わりだけど、お前の世界にいる俺は大丈夫だから。ほら、泣くんじゃねぇよ。かっこいい顔が台無しだ」


くらりと視界が歪んで倒れそうになる。もう言語すら理解し辛い。じゃあなと誰かが言った。誰かは分からなかったけれど、安心出来る声だった。


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死の間際に出会う

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