「なぁ結標」 「…何かしら」 「お前、太ったか?」 「…………………………」 「土御門さん、言葉を選んでください」 「いやでもな海原、俺はこいつのために言っているんだ」 「……そうね、指摘されるのは有難いことだわ。自分では気付けないことってあるし」 「結標さん、怒らせたことは謝罪します。なので土御門さんをビルから突き落とすのはやめてください」 「海原の言うとおりだぜい、能力使ってまで怒る必要ないだろ?たかが体重増えたぐらいで」 「土御門さんはそれ以上喋らないでください、死にたいんですか」 「冗談が過ぎましたすみません結標さん本当にすみません」 「今更遅いわよ土御門、今すぐ絶景を拝ませてあげる」 「あァ?何してんだァ?」 「ちょうどいいところに来たな一方通行!早速だが助けてくれ!」 「何があったかは知らねェが、どォせオマエの自業自得だろ。諦めて星になれ」 「それはいい提案ね、今日は流れ星が見えるのかしら。お願い事を考えなくちゃ」 「お前らが言うと洒落にならないにゃー!」 「ご愁傷様です土御門さん、…おや?」 「?何だァ、海原?」 「そういえば一方通行さんは細いですね、細いというか華奢と言うのでしょうか?」 「確かに一方通行は男にしてはひょろひょろしてるにゃー。もやしみてぇだぜい」 「ぶち殺すぞ土御門ォ」 「事実なんだから仕方ないじゃない。一時期コーヒーと肉ばかりの食生活だったのに、あなたの体はどうなっているのかしら」 「っ、いきなり何しやがる!触ンじゃねェよ!」 「いや流石に胸があったらどうしようかと思いまして」 「あるわけねェだろォが、能力の影響でホルモンバランスが崩れてるだけだ」 「そりゃ面白いな…、結標、海原」 「分かったわ」 「了解しました」 「はァ!?」 「手荒な真似をして悪いが、怒らないでくれよ」 「おい海原ァ!何しやがる!結標ェ!人の服を剥ぐンじゃねェ!」 ***** 「…驚いたわ」 「ああ…、俺もだ」 「僕もこれには流石に…」 「ふざけるのも大概にしろ!何で俺が結標の服を着なきゃならねェンだ!」 「女物の服を着れるだなんて、信じられない」 「しかも結標のよりもサイズが小さいぞ」 「胸がないにしてもまさか男が着れるとは」 「これからは女装もアリ、ってことでいいのかしら」 「一方通行に関してはアリだな、名前は鈴科百合子でいいか」 「似合ってますね、それで決定としましょうか」 「…っ!…!!」 ――こうしてグループに鈴科百合子という名の構成員が加わった。 |