キリハはグレイモンをリロードし――三人はクロスローダーを掲げる!

シャウトモン、超進化!
オメガシャウトモン!」
メタルグレイモン、超進化!
ジークグレイモン!」
「バリスタモン!
ドルルモン!
スターモンズ!」
「スパロウモン!」
「テイルモン!」

 赤。青。菫。乳白。
 四つの色はぶつかり、八つの魂を合体進化に導く!


「――シャウトモンX7S(シャイン)!!

 ――生まれたのは、熱き魂を灯した武人。

「心なき戦士の強さを知るがいい。
行け!」

 デスジェネラル全員が一斉に必殺技を放つ。
 うねり狂う炎の乱舞はX7Sを焼け上げようとするが――X7Sはすべてを弾き返した!
 これにはさすがのダークナイトモンも感嘆の声を漏らす。

「さすがだねぇ。だがこのデジモンに勝てるかな?
オールデスジェネラル、
――デジクロス

 その姿の醜さたるや、魔獣リリスモンに匹敵する。
 暗黒の力はその者の姿を醜く変貌させるのだろう。
 荒々しく、憎しみに駆られた眼はX7Sを見下ろす。
 グランドジェネラモンはX7Sを優に越える巨体をもっている。

「最強最悪の破壊者、グランドジェネラモンの力を披露するときが来た……!」

 ダークナイトモンは嬉々として言い放つ。
「ダブルフレアバスター!」光はグランドジェネラモン目掛けて空を裂く!
 ――が。“奴”は頭を傾け、難なくビーム波を避けた。
 次はこちらからだ、とばかりに吼えると、X7Sの肩を捕んだ。
 下半身のスプラッシュモン――遥瑠は初めて見たが、この醜い虎こそがスプラッシュモン本体である――が口を大きく開けた。そのまま衝撃波を放つと、避ける術を持たないX7Sはもろに受け、バラバラになって倒れてしまった。
 傷だらけのテイルモンたちに、遥瑠たちは駆け寄る。
 グランドジェネラモンの強さにダークナイトモンは満足気に金の眼を輝かせる。――笑っているようだった。

「シャウトモン、終わりだ」

 暗黒水晶をかざし、艶かしい光がシャウトモンを包む。
 途端、シャウトモンは悲鳴を上げながら――地に伏せる。その目に光を失いながら。

「シャウトモン!おい、しっかりしろ!
――お前、シャウトモンに何をした?!」
「デスジェネラルたちと同様、心を奪ってやったのだよ」
「なにっ?!」
「なんてことを……!!」
「もっとも正義というウィルスに侵されたデジモンだ。
わたしの部下にする価値もない。ゴミのように道端に捨てておくのが相応しい」
「野郎ッ」
「ダークナイトモンッ!シャウトモンの心を戻せ!!」
「次は工藤タイキ、君の番だ。
心の牢獄、プリズンランドに閉じ込めてやろう」

 ダークナイトモンはタイキに狙いを定め、暗黒水晶が光り輝く――

「くそぉ!」

 タイキの前にドルルモンが躍り出ると――暗黒水晶はドルルモンの心を奪い取った。

「ドルルモン!しっかりしてくれぇ!」
「タイキ、撤退だ!メイルバードラモンに乗れ!
戻れ、グレイモン!」
「シャウトモンとドルルモンは」
「わたしたちが運ぶよ!」

 スパロウモンとメルヴァモンが立ち上がった。
 メイルバードラモンに乗るために走る遥瑠たち。
 しかしその間にもダークナイトモンは暗黒水晶の力を振るう!

「いけッ、タイキたち!
シュヴァルツ・ドンナー!」
「邪魔だっ!」
「カイ!!」

 時間稼ぎに、と攻撃するカイザーレオモンもまた光にのまれる。
 ランプモンを喚び出して運ぶよう指示する間も、バリスタモンが庇って心を連れ去られてしまう。

「バリスタモン!」
「ランプモン!バリスタモンもお願い!」
「了解いたしました〜!」

 まるでダークナイトモンの独壇場だ。躍り狂う闇の光に仲間が次々とのまれる景色を見て、遥瑠は奥歯を噛み締める。
 また光が伸びる。狙いはもちろんタイキ!
 背中を狙って伸びるそれに、遥瑠は咄嗟にタイキを押す。



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