休日に彼女と家ですごす。
特にする事もなかったため、手近にあった雑誌をぱらぱら捲っていると突然名前が声を上げた。



「甘いものが私を呼んでる!」

「素直に甘いものが食べたいと言えないのか?」

「甘いものが食べたいです」


じっと見てくる名前に私が仕方ないなと呟くと、彼女はすぐに笑顔をみせた。

「出掛けるか」

「やった仙蔵ありがと」

「ほら、くっつくんじゃない、上着をとってこい」

「ほーい」

「私のも忘れるなよ」

「わかったー」


勢いよく部屋を飛び出した名前に、そんなに急いだらころぶぞと声を掛けるもうかれぎみの名前に聞こえている訳もなく、案の定、鈍い音と悲痛な声が聞こえた。


名前の元へ行けば痛そうにうずくまっていた。


「手間のかかる奴だな」

「ごめんね、さっ、甘いもの食べにいこっか」

「本当に現金な奴だな」


−−−−−
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「はぁー、おいしかった、仙蔵、ほんとお金払わなくてよかったの?」

「ああ、そのかわり代償をいただく」

「えっ!?私に返せるものな、んっ…」

ちゅっ…というリップ音がなって顔が離れる。
名前の顔はりんごのように真っ赤だった。


そんなりんごのように真っ赤な彼女の唇は砂糖のように甘かった


(彼女はまさしくsugar lady!)





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