人魚題


水中の姫君
漣の向こうの空を見上げる
海星と貝殻の髪飾り
尾鰭が足なら砂浜を歩けるのに……
海底をたゆたう
ああ愛しの船上の王子様
魚と踊る
水越しの光で鱗がきらきら
塩味のキスを、
泡になって消えた


永遠の命を与えよう
八百比丘尼の伝承
彼女のその肉を食べれば、
地下室には半人半魚のミイラがあります
波間に漂う長い髪
キラリ光る涙を一滴
愛した男は年老いて死にました。
漁の網にかかった少女
大時化の夜に影をみた
深い深い深い、海に、還る





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -