一言

「え、なんでそんなに怯えてんの?」

「ちょっと、泣かないでよ。私が悪いみたいじゃない」

「僕達なんだか馬鹿みたいだね」

「あの時は確かに愛したよ」

「だったらなんだって言うの?」

「誰がお前なんか……!!」

「ははっ、恐怖で声も出ないってか?」

「さぁ、決着付けようか」

「ツイてるな。ファッキンクライスト様様だぜ」

「まさか。口喧嘩じゃ敵わない。」



「ああ愛しの君に幸あれ」

「どうやら私はいい子が嫌いみたい」

「正義なんて………」

「愛だけが全てじゃない」

「君はいい人だね。優しくて正義感が強い。まるで自分がしてる事は全て正しいとでも思っているかのようだ」

「その優しさが誰かを押し潰すこともあるんだよ」

「まださよならも言ってないのに…」

「嘘っぱちの愛だったの」

「頭のいい女は嫌いじゃないよ。苦手だけど」

「信じるなんて出来ないよ」



「どうですか?お探しの殺人鬼は見付かりました?」

「愛で飯が食えるなら全人類、いいや、全生物を心の底から愛してやるよ」

「え、落とし穴に堕ちたって?」

「恋人を亡くした哀しい人なのね」

「同情で口説いたの?」

「待て待て。不審者=犯人は少し容易過ぎじゃないか?」

「あんなにも憎んでいたのに……」

「医者は命を救うけど、医者は命を奪いもするのよ」

「何が正しくて何が誤りかなんて人間ごときじゃ分からないよ」

「いいんだよ、正解なんかないんだから」






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