溜まっているなら私がお手伝いしましょうか


食事を運びにきたついでにそう言ったら、大尉はぽかんと口を開けたまま紅い瞳で私をみた。珍しい。今までに見てきた大尉の表情らしい表情といえば蔑みとか嘲笑とかあまり良くはない感情ばかりで、先輩や同僚はシャーマン大尉のその生意気な態度に腹が立つといっていた。けれど、ドMを自負する私には小突かれて詰られるなど気持ちがいいものだ。だいたい、大尉は純粋種のイノベイターで階級も大尉で数々の戦果をあげているのだから、偉そうにふんぞり返るくらい許されるだろう。いくら珍しいからといって、科学者ではない一介の軍人ごときまで大尉をモルモットとして見下すなどあってはならないと思うのだけど。
そこまで思案してもう一度シャーマン大尉を見ると、すでにいつも通りの仏頂面だった。私の精一杯の誘いはスルーされたらしい。このやろう、トキメいた。


「あまり溜めると身体に良くないって聞きますし私で良ければお相手しま」

「下品な発言は謹んで下さい」

「最初に言ったのは大尉ですよ」

「あれを真に受けるような莫迦がいるとは思わなかっただけです」


ふん、と鼻を鳴らして食事をする姿に心が踊る。彼の眼中に私など映っていないのだ。ただの小間使い、使いパシリ、世話係り。余計な言動には厳しく言及し存在ごと嘲り踏みにじる。もっと、もっと言って!!


「…何ですかその気色悪い表情は」

「私、大尉のなら精液でもおしっこでも飲めます!」

「それは随分と悪食ですね」

「大尉のだけ、シャーマン大尉だけです」

「私にそんな趣味はありません。もう黙れ」

「…!!」


初めて命令された。いつもは割と丁寧な言葉遣いなのに。黙れって、だまれだって!ぞくぞくと背中を駆け上がる快感に耐えきれず頬が弛む。パンを千切っては口に運ぶ大尉は私を一瞥することさえせず黙々ともぐもぐと食事を続けている。その身を荒々しく裂かれ、噛み砕かれて大尉の身体の一部になるパンが羨ましい。痛い思いをしたって平気。大尉が望むなら性奴隷にもサンドバッグにもなれる。全裸でモビルスーツに乗ることすら厭わない。シャーマン大尉がそれを望むなら、私は何だってできる。


「ではこの不味いスープを口移しで飲ませて頂きましょうか」

「……へ」

「早くしないと気が変わります」


言われて慌ただしくスープを口に含んだら舌を火傷した。





(大尉はタン塩お好きですか)
(舌を仕舞えビッチが)



101128
大尉に荒々しく日頃の鬱憤晴らしてもらいたい(性的な意味で)

 


T O P

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