「お疲れさまです、アキラさん!」


いつもより早い時間に、いつもより笑顔の花子が白い箱を持って部屋に入ってきた。
いつもうるさいが今日はもっとうるさい。お口にチャック、とはこいつの為にある言葉だと思う。
つーか労る気があるなら一日くらい放っておいてくれ頼むから。


「まーた今日もミスしたんですか」

「…うるせっ!!」


ベッドに俯せになる俺のすぐ横が傾いて、花子が乗ってきたのだと見なくても分かった。
いちいち嫌味を言わないと気が済まないのかお前は!

しかし、ミスをしたというのは事実であり、先刻までシュバインさんに説教されていたのもあって言い返す気力もない。
枕に顔を押しつけたまま出て行けと言ったら何言ってるかわかりませーんとか返ってきた。
むかつく。


「ほらほらー、ケーキ買ってきたんで一緒に食べましょうよ。ネコさんにはちょっと良いきゅうりをどうぞ!」

「ありがとうございます」

「……なんで」

「え?だって今日アキラさん誕生日でしょう」


ボリッボリッボリッ
ネコにあげたちょっと良いらしいきゅうりは歯応え抜群でとても気持ちの良い音がした。

あれ、なんでこいつ俺の誕生日知ってんの。


「いらないんなら私全部食べますけど」

「…食べないとは言ってない」

「素直じゃないんだから」


ねー、とネコと顔を見合わせて笑う花子の口周りに生クリームがついていることは黙っておくことにした。


「シュバインさんからこれも渡しとけって」

「まさかプレ」

「始末書でしたー」

「お前さっさと帰れ!!」


殴ろうとしたところをネコに止められ、何やってんだかなあと呆れる二十歳の誕生日なんて最悪だ!!





10/05/04生誕記念
初リリ夢がアキラ!
単行本が手元になくて口調うろおぼえ(´・ω・`)0508

 


T O P

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