「お菓子くれなきゃいたずらしますよー!!」


きゃはー☆とテンション高く扉をぶっ壊して入ってきた花子の手には、すでに犬や千種から貰った(奪った?)菓子が大量に収まっている
これ以上貰っても食べきれないでしょうと苦笑して窘めるとぷくっと頬を膨らませて文句を垂れた


「骸様からお菓子が貰いたかったんですー
凪より先に貰いたかったんですー」

「クロームが?」

「魔女っ子に変装してたんですよ、部屋で!」


それは見てみたいですねと漏らせば花子は口をへの字にして嫉妬心丸出しの瞳で見つめてくる
仲良くしなさいとあれほど言っているのに、未だに二人は打ち解けないらしい
どうしたものか


「いいですよ、骸様は凪と仲良くイチャイチャしてれば!
私は並盛にでも行ってお菓子たっくさん貰ってきますから!」


ぷいと背を向けたかと思えば声をかける暇もなく花子はセンターから出て行ってしまった

やれやれ、どうせ向こうでも軽くあしらわれて泣く泣く帰ってくるだけだろうに
バカな子ほど可愛いとは言うけれどバカすぎるのも考えものだな


「お手柔らかにお願いしますよ、雲雀恭弥」










NAMIMORI CITY



「お菓子くれなきゃいたず、ぎゃあああ!!!!!!!」

「ノックも無しに入ってくるなんて失礼じゃない?」


だからってコンパス投げんなよ、危ないだろ、針だろオイ!


「…………なにそれ、没収だから」

「うえっ!?ひど、それ私のお菓子…!!」


ポシェットからはみ出したお菓子が見つかって、ポシェットごと引っ張られてしまった
うわあああ、こいつバカなの?ポシェットって斜め掛けなんだよ、引っ張っても取れないんだよ、ねえこいつバカなの?


「今失礼なこと考えてるでしょ、咬み殺すよ?」

「近い近い近い…!ポシェットは渡すから……!!」


ぐいぐい引っ張る所為でぴったりくっついた身体は恐怖で震えている
桜の木の枝とか持ってくるんだった…!
今更後悔しても遅いので取りあえず謝りまくったらプライドないの?って鼻で笑われたしね
雲雀恭弥しね


「てか自分だってお菓子貰ってんじゃん」

「君みたいに頭の悪い草食動物から没収したものだけど」

「ソウデスカ…」


卓上に山のように積まれたお菓子の数々を指さしたらこれまたしれっとあしらわれた
なんで私こっち来たんだろうな
沢田綱吉の家にでも行けば良かった


「それで?なにしに来たの」

「お菓子貰いにだよ!ハロウィンだからね!」

「へえ…じゃあ僕にいたずらする気?出来るの、君に」


すいません出来ませんと言いたいところだけど、それじゃあ骸様に恥をかかせてしまうし、私にもプライドはあるんだよ雲雀恭弥

未だにくっついたままだからものすごい近くにある相手の額めがけて突撃!


「……え、ウソ」


絶対かわされると思った頭突きは思いの外、思ってた以上にクリーンヒットした。してしまった。やばい?これやばくない?死亡フラグ?


「え、あの、雲雀さん…?」

「なに」

「そんなに痛かったです、か」


なんで私は敬語つかってんだよ!くそっ!この威圧感は何なんだよ!

冷や汗ダラダラな私をじっとり見つめながら雲雀恭弥は何かを考えているみたいだった


「終わり?」

「は?」

「いたずら」

「あ、は、はい」


これ以上どうしろってんだチクショウ
こんなことなら大人しく黒曜センターでお菓子を頬張っていれば良かった
骸様、犬、千種、凪
今までワガママばっかり言ってごめんなさい
花子はみんながだいすきだよ


「じゃあ僕もするよ」

「なんで」

「もらってないから」


それ理不尽だ、と叫ぶ前に口を塞がれ逃げ出す前に押し倒されていた
お色気担当は凪じゃないのか!!




はろうぃーーーん
中途半端でごめん
081031

 


T O P

- ナノ -