\めいん/ | ナノ




※奴隷時代


女の子といえばお風呂がだいすきな生き物である。それはどの国でもどの時代でもきっとそうだ。そうに決まっている。例に漏れず私もお風呂がだいすきなのである。

「というわけで、お風呂に入ろう」
「はあ」

いそいそと着替えの支度を整えて、私はモルジアナの腕を引っつかんでお風呂場へと向かう。すでにお湯は張ってあるし石鹸も新しいのを出した。この日のために調合させた世界に一つしかない石鹸だ。

到着したらすでに湯気で温まっていて毛穴が開くのがわかった。

「ほい、脱いで脱いで〜」
「えっ!?私がですか?」
「一緒に入るんだよ!ほらほら!」
「わ、ちょ、」

ひらひらした布を脱がすのがこんなに楽しいなんて、なるほど男の人が夢中になるのもわかる。照れるモルジアナの表情も加えて嗜虐心をそそられる。すごく嫌だけど、やっぱりジャミルの妹なんだなあ、私。

「まずは湯浴みね」
「私は結構でう!」

噛んだ。モルジアナが噛んだ。かみまみた。
今更結構ですだなんて言ってももう遅い。すっぽんぽんで逃げ出せるほどモルジアナも幼稚ではないだろう。ふふふ、全ては私の手の上よ!

「ほーれ、ほーれ」
「ちょっと、危ないです!」
「まあまあ。いつも頑張ってくれているモルジアナに感謝の意を込めてだね」
「こんな感謝ならいりません!」
「え……」

もちろんこれも予想通りの反応だ。激情したモルジアナのセリフにちょっと悲しい顔を見せればほらこの通り。彼女はうろたえて私に逆らう気をなくしていく。シュンと顔を下に向けたら、モルジアナのおっぱいが目に入った。むう、私より大きい。
黙ったままの私が本当に悲しんでいるように見えたのか、モルジアナはますます態度を軟化させていく。

「すみません、言いすぎました…」
「じゃあ一緒にお風呂入ってくれる?」

俯いたまま小さく聞くと、モルジアナは一瞬言葉を詰まらせるも、はい、と返事をした。


   


「いいにおいする?」
「は、はい」

お湯でふやかした石鹸をモルジアナの腕や肩に滑らせる。甘くてとろけるにおいが浴室に充満していく。
モルジアナは慣れない所作に身体をかちかちにして俯いていた。改めて裸を見られることに抵抗があるのか、耳まで真っ赤だ。脇とかくすぐったら怒られるかなあ。

「あの、自分で出来ますから」
「それじゃあ意味ないでしょう」

別にモルジアナの身体を触ることが目的ではないけど、せっかく一緒に入ってるんだから別々に洗うなんて勿体無い。すみずみまで丁寧に、石鹸を滑らせる。
胸やお尻は念入りに…といきたいところだけど、興奮して私が先にのぼせそうだから我慢した。今は彼女の身体より、一緒にいる時間を堪能したい。臍のまわりをくるくると撫でてから、次は足を洗おうと膝をついた。

「ショウ様!!!」
「気にしない、気にしない」

主人が奴隷に跪くなんて光景、きっとお兄さまが見たら私を殺すに違いない。モルジアナだってきっと卒倒しそうなほど慌てていることだろう。モルジアナのつま先を洗うのに夢中な私には彼女がどんな表情をしているかは知れないけれど。
ムチで打たれたあとや擦り傷の耐えない身体だけど、しなやかで美しい。薄いけど適度に筋肉のついたふくらはぎ、形のいい膝、引き締まった太ももまで丁寧に丁寧に泡で包んでいく。

「きもちいい?」
「っ、っ!」

見上げたら、頬を真っ赤に染めたモルジアナと目があった。







やっぱりモルジアナ欲しいなあ。彼女をお気に入りとするお兄さまに何度言っても取り合ってはもらえないけど、もう一度頼んでみよう。



121012
121202加筆修正


 



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