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「あぁー!!暇っ!!」


私はそう叫んで仰向けに寝転がった。


「勉強しんしゃい」


私の隣で片足を立てて、私を見下ろしているのは彼氏の雅治。





今日は土曜日。天気、晴れ。

そして、私達カップルは晴天にもかかわらず、お家デートをしている。

久しぶりに雅治の部活がないから、今日はゆっくりしようと思ってお家デートにした






























・・・って訳でもなく、ただ単に私がリラックスしたかっただけである。

そして、私を襲う宿題達を彼氏様に退治して頂きたかったのだ!!


本当は雅治に全部宿題やってもらうつもりだったのに、自分でやれって言われた。

分からない所は教えてくれる、って言ってくれたけど、分からない所はない。

分かるんだけどね〜・・・

月曜日に出た宿題でね・・・面倒でさ・・・サボっちゃったんだ・・・あはは・・・


そこで、頭脳明晰な雅治にやってもらおうと思ったのだ。

面倒臭いからね。問題は分かるけど、面倒臭いからね。


「雅治ーやってよー」


「一度解いた問題をまたやるなんて面倒ナリ」


「可愛い彼女を襲う宿題をやっつけてよ!」


「はよ宿題片付けんしゃい。綾奈とイチャイチャできんぜよ」


「本当にイチャイチャしたいなら、宿題とか気にせずにするだろ。

例え私が嫌だと言っても」


「プリッ」


謎の台詞を言った後、彼は私の腕を引っ張り私を起こす。

私が起き上がった瞬間、雅治は一瞬唇を重ねてから、私の頭を撫でた。


「綾奈は出来る子じゃろ?」


私と二人きり以外の時は絶対に見せない優しい笑みを浮かべる雅治。

そんな表情にいつも胸が高鳴る。

顔が赤くなったのがわかった。


「うん・・・」


思わず頷くと、雅治は満足そうに笑って、またキスをした。

すぐに離れていく唇。


なんとなく物足りなくて、雅治の首に腕を回してみる。

そうすると、クツクツ笑う彼。


「可愛いのう・・・」


「・・・キス、して?」


普段はこんな事絶対に言わないけど、二人きりの時ぐらいいいかな、と思って言ってみると彼はまた喉で笑って言った。


「宿題終わらせんしゃい」


思わず顔をしかめてしまった。

こんないい雰囲気でもからかうのか・・・



でも、これ以上何か言っても無駄だと思ったし、恥ずかしいから机に向かってシャーペンを手に取った。


ワークシートと向き合う。問題の解き方は分かるけど、やっぱり面倒臭い!!


面倒臭いが頭の中で渦巻いていて、雅治の存在を完全に忘れていた時、背中に温もりを感じた。


「うわっ///」


いきなり耳に息をかけられてビクッと体がはねた。

後ろを見なくても分かる。犯人は、雅治だ!!


「彼氏より宿題を取るんか?」


少し寂しそうに言う雅治は絶対確信犯だ。

第一私のお腹に手を回してピタッとくっついている時点で反則だと思う。


こんな事されたら答えは一つしかないじゃん。


「・・・分かってるくせに」


彼の肩が揺れている事から笑っている事が分かった。





そして日曜日に一日中宿題と戦ったのは言うまでもない。





fin.

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