僕はきみの酸素になりたい


僕はきみの酸素になりたい
ゼロの焦点
手始めに押し倒してよ
それはそれは綺麗な
骨の髄まで溶かすほど
真夜中から声がする
空想するリアリスト
お砂糖に埋めて下さい
乾いた爪痕を残して
閉じられる聖書
極上をいただきます

昨日に漂う染色体
細胞膜から染み込んだ
優しい夜の胎動
この世の果ての孤島にて
無味無臭の毒薬でしょう
手探りで望む生命線
渇きを忘れた唇へ
二つの鼓動が交わって
冷熱と暗転
遺伝子が叫んだようです
きみの真ん中にばらまく

皮膜越しの熱分解
あの空に飛び降りたら
歪んだベクトルの先
奪う者、奪われるもの
無防備な星を捕まえて
花冠を称えたお姫様
甘やかな熱帯夜
愛とは呼べない薄紅色
墜落の音が聞こえた
逃げられないのは下半身
これは幸せなふたりぼっち

無いものねだりの指先
楽園の端は極彩色
悩ましげに零す白
初めてを叫んでみせて
震える心音を飲み込んだ
最深部の幸福原理
大人になれない僕らの
透明の孤独
失くした羽根を探している
未完成だとは知っていた
密室であるか否か
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