リクエスト作品 | ナノ






今回、白ひげ海賊団が停泊しているのは鉱石が名産の島。街を歩けばアクセサリーショップや宝石店などのキラキラとした店が多く立ち並んでいる。買い出し係として街を歩いていたエースは立ち並んでいるその店々に興味津々だ。そんなエースの様子を見ているマルコは少々呆れ気味。

「マルコ、マルコ!これ綺麗だぜ!!」
「そうだない」
「あ!マルコ!!これも綺麗!!」
「…そうだない」
「おお!!マルコ!これも」
「子供か」

エースはまるで初めて遊園地に来た子供のように目をキラキラと輝かせている。ここまで宝石ではしゃげる男も珍しい。普通は女が嬉しそうにはしゃぐものなのではないのか。

エースのはしゃぎっぷりに少し引きつつマルコも店を覗く。確かにエースの言う通り、どのアクセサリーも宝石が輝いていて綺麗だ。

「なーなー、マルコー」
「何だい」
「これとかナマエに似合うんじゃねー?」
「馬鹿言うな。絶対こっちの方が似合ってるよい」
「いつの間に持ってたんだよお前」




≡≡≡≡≡≡




「…疲れた」

各隊の報告がそれぞれ書かれている書類を纏め終わり、椅子から立ち上がって伸びをすれば背中からバキッと音がする。(あー、肩凝った。)

そういえば珍しくエースが仕事中に邪魔をしてこなかったな、と思っていたら一番隊と一緒に買い出しに行っていたらしい。いつもより幾分か静かな船内には穏やかな空気が……「姉さーん!!」…流れていなかった。

「…何なんだセツ。たまには俺にゆっくり過ごさせてくれ」
「俺の周りには穏やかな空気が流れてますよ!むしろ穏やかな空気しか流れてませんよ!!だから大丈夫です!」
「冗談は顔と頭だけにしとけ」
「頭!?」
「で、何の用だ」
「(流された!)…あ、そうでした。この島の事なんですがルーキーの奴らが何人か居るらしいですよ」
「へぇ」
「反応薄くないですか!?」
「どうせガセだろ。こんな辺鄙なところにある島にルーキーがいるわけ……………いや、そういやこの島は確か鉱石で有名だったな」
「はい。その鉱石などを換金するためにこの島には換金所が多いので、恐らく奴らはそれが目的だと思われます」
「…そうか」

珍しく真面目に報告をしているセツ。こうしていれば副隊長らしいのにな、とこっそり溜め息を吐く。

「それなら一応マルコとエースにも報告しておいた方がいいだろうな。騒ぎを起こしかねないし」
「ですね。あ、休憩もかねて隊長が行ってきてはどうですか?」
「ん、そうする」
「あ!それとも俺と一緒にデートでも「却下」姉さああああん!」

セツの声を背に船を飛び降りた。…数秒前の副隊長の顔は一体何処へいったのやら情けない顔をしていたセツを見てまた一つ溜め息を零した。


中心街の方へと歩いていけば結構な数の店が立ち並んでいた。気になった店が何軒あったが後で行く事にして、今はマルコとエースを探す方に集中………「あ!ナマエー!!」…する必要なかった。

「セツといいエースといい…何なんだお前ら仕組んでんのか」
「? それよりも、丁度いい時に来たなーナマエ」
「ん?」
「何いきなり走ってんだいエース……、あ」
「ナマエ」
「よう烏屋」
「………何だこの異色のカルテット(四人組)」
「まぁ気にするな」
「トラファルガーの手が俺の腰にあることもか?」
「当然だ」
「「「死ね!」」」

マルコとエースとキッドに全力で蹴っ飛ばされたトラファルガー。俺はナマエ限定にドMだからお前らに蹴られたって嬉しくないんだからな!とか叫んでるが全員無視。というかちょっと嬉しそうな顔をしている気がするので余計に目を合わせたくない。というわけでキッドに話しかけた。

「久しぶりだな、キッド。この前ちょっとキラーと斬り合いをしたとき以来だな」
「あぁ久しぶり……って、キラーが妙に息切れしてると思ったらあん時お前ら俺が行く前にそんなことしてたのか!」
「キッドがいなかったから暇だったんだ」
「何?ローがいなかったから寂しかった?」
「誰かこいつに耳鼻科を紹介してやってくれ」
「ふふふ、ツンデレめ」
「というか何の話だったんだよ結局」

俺がそう言ったら全員ハッとした表情になって俺に顔を近づけてきた。ちょ、近い近い近い。

「なぁ、ナマエはこのブレスレットがいいよな!?」
「んなわけあるか!ナマエはこっちの指輪の方がいい!」
「こっちのピアスが似合うに決まってるだろい!」
「ナマエは俺が選んだこのネックレスがいいよな?」
「とりあえずワケが分からないから離れろ。トラファルガーに至っては近過ぎる」

少し距離をとるように(トラファルガーには半径三メートル以内に入らないように)言い、何の話をしていたのか聞いてみたところ、俺に似合うアクセサリーを見てたらしい。

ちなみに四人が何を持ってたのかというと、エースはターコイズのブレスレット、キッドはガーネットの指輪、マルコはオパールのピアス、トラファルガーは真珠のネックレスだった。

「…見事に種類がバラバラだな」
「同じもん貰ってもナマエ困るだろ?」
「…まぁ確かに」
「ふふふふ、ネックレスって首輪みたいで良いよな…」
「おーい変態、妄想から帰ってこい」
「―……はっ!ナマエ、俺は犬耳でも萌えると思うぞ!!」
「知るか」
「いや、ナマエにはウサ耳だ!!」
「エースも黙れ」
「バニーか…中々いい趣味してるじゃないか火拳屋」
「お前もな」
「おいこらそこで変な協定を結ぶな」

ガシッ!と手を握り合う弟と変態(トラファルガー)。一体何が楽しいのか、キラキラと顔を輝かせながら何かについて語り合っている。……おい、肩を組むなお前ら。

じりじりとその2人から遠ざかっていってたら横からキッドとマルコが話しかけてきた。そしてそれぞれが持っていたアクセサリーを渡される。

「ナマエ、とりあえずそれやるから着けてみろよ」
「俺のもやるよい」
「…ん、ありがとな」

ピアスは今着けてるやつを外して着けたが…指輪はどうするか。男物なのか少しだけごつめのデザイン。俺の親指にはぶかぶかだった。

「あ、悪いナマエ。サイズ考えずに買っちまった」
「いや、大丈夫」

今身につけている黒いクロスが付いたネックレスを外し、そのチェーンに貰った指輪を通す。うん、中々悪くない。

「ほら、これで大丈夫だろ?」

ニッと笑えば、キッドもマルコも嬉しそうに笑い返してくれた。貰ったアクセサリーに付いている宝石がそれぞれキラリと輝いた気がした。




輝く宝石と君


(俺が用意したネックレスも着けてみろナマエ!)
(悪いがトラファルガーからネックレスだけは貰いたくない)
(何故だ…!!)
(自分の言動を見直せ馬鹿)
(ナマエ!ナマエ!俺のブレスレットも着けてくれよ!)






→後書き


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