リクエスト作品 | ナノ






「ナマエー!組み手しようぜー!!」
「ん?あぁ、そうだな…この書類が終わったら行くから甲板で待ってろ」
「りょうかーい!」

ばたばたと足音を立てながら甲板へ向かうエース。心なしか嬉しそうに鼻歌を歌っていた。…そういえば最近組み手やってなかったな。

「ナマエ…」
「マルコ?どうした?」

エースを見送ってからやってきたのはマルコ。書類を持ってきたのかと思えば手には何も持っていない。

「や…その、俺も組み手…してもいいかよい」

頼むのが照れくさいのか、そっぽを向いて言うマルコに思わず笑ってしまいそうになったが、折角頼みに来てくれたのにそれは失礼だと思い耐える。

「エースの後で良かったらいいぞ」
「あぁ。俺も甲板の方に行ってるよい」

俺が答えると、マルコも何だか嬉しそうに笑ってから甲板へ向かっていった。

…さて、弟達のためにも急いで書類を終わらせなくちゃな。




≡≡≡≡≡≡




「はぁあああ!?マルコも組み手やんのかよ!!」
「別に良いじゃねぇかエース」
「良くねぇよ!!」

サッチにはその重要性が分からないんだ!!と騒ぐエース。そしてその傍らには苦笑いするサッチとそっぽを向いているマルコ。

「何がそんなに気に食わないんだよ」
「だって俺が先にナマエに頼んだのに…!」
「俺は後で良いって言ってるだろい」
「それも嫌なんだよ!!」
「無茶言うなよい」
「いーやーだー!!」
「どうした?」
「「「ナマエ!」」」

駄々をこねていたエースの後ろからやってきたナマエ。不思議そうに首を傾げているが、まさか自分が原因だとは思っていもいないだろう。

「何でもねぇよ!そんなことより組み手やろうぜ!!」
「あぁ。悪いなマルコ、終わったらお前も付き合ってやるから」
「分かってるよい」
「〜……ナマエっ!!」
「分かった分かった」

ナマエがマルコと話すだけでも嫌そうに顔を歪めたエース。ナマエの腕をぐいぐい引っ張ったエースにナマエは苦笑いをしながらもそのままエースについていった。

「……」
「お前もエースも似たもん同士だな」
「…煩いよいサッチ」

「…ナマエ」
「んー?」
「俺といるのとマルコといるのとどっちが楽しい?」
「…どうした?いきなり」

エースの言葉に不思議そうに首を傾げるナマエ。その間にもエースは拳を前に突き出しすが、ナマエはその拳に手を添えてひらりと受け流す。

「……別に」

むすっとした顔で蹴りを入れてくるエースを見てナマエは少し思案するように黙り、エースの足を受け止める。

そして手首を捻って受け止めた足を掴み、勢いよく投げ飛ばした。

「うおおお!?」
「………はぁ、」
「…?」
「どっちが、とかそういうもんじゃないだろ」
「…」
「エースはエースだしマルコはマルコだ。どっちといた方が楽しいとかそういうのはない。そりゃあマルコといた方が楽しい時だってある」
「…む」
「けど、エースとはいつも一緒にいただろう」
「?」

ナマエの言葉の意味が分からないというように首を傾げる。さすが姉弟、というべきか先程のナマエの同じ動作をするエース。

「俺は一緒にいて楽しくない奴とは一緒にいない」
「…、」
「もちろん姉弟であろうとも俺が本当に嫌だったら、今ここでも一緒にいることはない」

首を傾げた状態のまま動かないエースのもとにゆっくり歩いていくナマエ。エースの近くまできて、くしゃりと頭を撫でた。

「俺はエースといると楽しいよ」
「!」
「それだけは覚えておけ」

エースがバッと顔を上げれば優しく微笑んでいるナマエ。暫くぼんやりとしていたエースだが、ハッと何かに気付いたようにナマエに抱きついた。

「〜〜っ!!俺もナマエといると楽しい!!」
「ん」
「というか愛してる!!」
「いや、それはいい」
「………何してんだよい、エース」
「んだよマルコ。今いいとこなんだから邪魔すんな」
「てめ…っ!」
「あぁ、そういえば次はマルコの組み手だったな」
「え、ちょナマエ…」

するりと離れてマルコの方に行くナマエに呆然とした顔のエース。マルコはといえばそんなエースの顔を見てニヤリと笑った。それはそれは物凄くいい笑顔で。

「さっきまでの感動はどこ行った!?」
「安心しろ。エースに感動なんて求めてないから」
「そんな事あってたまるかああああ!!」




オチ?そんなものはございません


(こんなのってアリか!?)
(アリだよ。これ一応ギャグだし)
(マジかよおおお!!)

(…何かあっちが騒がしいな)
(気にすんなよい)
(? あ、脇ががら空きだぞマルコ)
(うぐっ!?)






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