これはまだ俺がフーシャ村にいた頃の話――…
「キイチー!!」
「どうしたエース?」
「なぁなぁなぁ!!一緒にどっか行こうぜ!!」
「構わないが…………夜のジャングル探険とか町の飯屋で大食い勝負とかは嫌だぞ?」
ルフィと一緒に居る事により、エースもなんとなく行動が似てきた気がしてならない俺は、とりあえず今日をサバイバルな日にしないようにやんわりと断っておく。
「ルフィとならそれは良いんだけど……キイチとはフツーがいいんだ!!」
「…そうか…」
エースの返事に内心胸を撫で下ろしつつ、俺はエースが何故いきなりそんな事を考えたのか不思議に思った。
………が
「早く!!はーやーく!!」
「はいはい(……まぁ、いいか)」
目をいつも以上にキラキラとさせ、俺の手を引っ張るエースに頬が緩むのが分かった。
……どうやら俺も結構なブラコンのようだ。
「…で、何処に行くのか決まってるのか?」
「あ」
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