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「零崎っ!!」
「うぉお!?」
甘味を求めてぶらりとそこらを歩いてたらいーたんが突然抱き付いてきた。
これは天変地異の前触れか、そるとも明日の天気は血の雨でも降るのだろうか。
……………つかここいーたんのマンションの近くじゃねーかよ。
「零崎っ、零崎っ…」
「いぃいぃぃいいいいーたん!?落ち着こうぜ、俺もお前も」
そうだ。落ち着け俺。
いーたんの事だ、良い意味でも悪い意味でも何かあるに違いない。
すがり付かれるように抱き付かれて悪い気はしない。
あ、ごめんなさい。嘘です。むっちゃ嬉しい。超嬉しい。
とまぁ、とりあえずいーたんに話聞いてみるっきゃないかぁ…
この状態はかなり美味しいから少し残念な気もするがな。
「で、どーしたんだよ。いーたん。流石の俺でも言葉なしじゃわかんねーからよ」
「零崎…。」
「う゛っ」
俺の胸から顔をあげたいーたんの眼にはうっすらと涙が浮かんでいて、眉毛はハの字になっていた。
……………何だこの破壊力は、何だこの破壊力はっ!!
めっちゃキュンとしたわ!
そしてそれと同じくらい罪悪感を感じたのは何故だ…!?
何もしてない筈なのに!
「ぼく、久渚の情報で聞いたんだ…」
「あの蒼いうにーか?」
いーたんは涙目のまま浅く頷く
「零崎が…」
「俺が…?」
「狐さんに告白するって…!」
「へー…」
……………………………………………………………………はぁ!?
どこのガセ情報だよ!しかもんなもんに騙されてくれるなよ!!
あ、あの蒼いうにーの情報だったよ!!
「ぼく、零崎がどんな相手に告白しようと殺されようと止めないだろうけど…」
「や、そこは止めてくれよ」
「でも、」
「スルーかコンチクショウめ」
「狐さんだけはないと思ってるんだよ!!人類で最も駄目な人間なんだよ!?
流石のぼくでも同情しまくりたくなったんだよ!!」
「確かにないわー」
「でも止めたりは、しないよ…」
「全力で止めてくれ」
「じゃあね、零崎。どうかお幸せにっ!!」
「最初から最後まで正しい情報が一つもねーじゃねーかぁああ!!」
そして少女漫画であるような涙をちょちょ切れさせながら走ってどっか行くの止めてくれ!!
つか!いーたんこの野郎楽しんでるだろ!!そうなんだろ!!
そーじゃないと俺、ブレイクンハートだぜ
つか、ただの虐めだっ!!!
「っていう夢を見たから、零崎ちょっと狐さんに告白してこい」
「まさかのオチがコレかよ!!」
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